ただ君を想う
□第1話
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「早苗がそう思うんなら、そうなんじゃねぇの?」
俺は、ベッドの側に置いてある丸イスに座った。
「ふふふっ。あ、ねぇ直人、そのTシャツで病院来るなんて勇気あるね〜〜」
早苗がにやにやしながら俺の着ているTシャツを指さす。
ん?俺、そんなにヤバいやつ着てたか?
俺は、おもむろにTシャツに目をやった。
ただの、ドクロじゃないか。……ってドクロ?ドクロって病院でマズくねぇか?
あっちゃー、これか。病院の中で感じた嫌〜な視線の原因は。まぁ、プラス不良だけどな。
「……ヤバい…よな?」
俺は早苗の顔をチラッと見た。
「……プクク、プァハハハ」
気まずさでいっぱいだった俺は、大爆笑している早苗に驚いた。
「ごめんね?でも、直人の顔がすごい百面相で面白い過ぎたからつい。ククッ」
俺、いったいどんな顔してたんだ?百面相って…ありえない。
他人からは、よく無表情で冷たいって言われるし、自分でもそうだと思っている。
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