ただ君を想う

□第2話
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カランカラーン

「もう、あんな奴と離婚してやる〜!」

あ〜、来た。

恭兵の姉、綺紗登場。

綺紗は、カウンター席にドカッと座り愚痴をこぼし始めた。

「やっぱり、結婚なんてしなければ良かったわ!一体全体、どこのどいつが結婚は女の幸せって言ったのかしら?まるで反対よ!結婚は女の敵だわ!」

マシンガンのようにそう言うと、衛さんからもらった水の入ったグラスを一気に飲みきった。

恭兵はそんな綺紗を呆れた顔で見ている。

まぁ、無理もないか。

綺紗は週に1回は必ずこの珈琲店に来て同じような愚痴を散々言った後、夫の勇一(ユウイチ)さんに迎えに来てもらって一緒に帰る。

なんだかんだ言って仲の良い夫婦だ。

「綺紗、どうした?」

「なー君!聞いてよ〜〜ってアラ?少し見ないうちに雰囲気変わった?」

「1週間前にも会った。」


「綺紗姉もそう思った?俺も思った。」

「いや、変わってないだろ?」

「“変化”から目を反らしてはいけない。」

俺は衛さんを見た。衛さんはグラスを白いタオルでキュキュッと拭いていてこっちは向いてなかった。

「君はここに来たときに比べてとても変わったよ。最近になっては、私が言うまでもないな。」

ドキン ドキン

「直人、本当は自分が一番分かっているじゃないのか?」

ドキン

衛さん。

あぁ、分かっているよ。

俺は………


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