増血鬼〜裏切りの王子〜
□第六夜：戻れない生活
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サユリは、俺の顔を見て真剣に言う。
俺は頷くしかなかった。
信じよう、二人共……。
信じるしかないんだよな、今は……。
「リュカ、お前は魔界を裏切った……その意味、分からないとは言わせねーぞ」
「……分かってるさ、だから…裏切るならとことん裏切るさ」
リュカの何処かでスイッチが入ったみたいだ。
瑠夏に反撃していく……。
瑠夏は苦しそうにリュカの攻撃を受け流す。
そして、ついに壁に追いつかれた。
リュカは、一本の剣は瑠夏の腹部に……もう一本の剣は首元に近付けた。
瑠夏は身動きが出来ない状態となってた。
「殺すなら、さっさと殺せよ」
リュカを睨む瑠夏に、剣が徐々に近付く。
俺は、とっさに叫んだ。
「止めろリュカ！！」
「…正樹」
「マッキー、何言って……」
俺の行動に驚いたリュカとサユリ。
瑠夏は、俺から目を反らす。
「……リュカ、瑠夏と話をさせてくれ」
「コイツは、今の正樹には危険だ」
「…っなんで！？」
「コイツはもう人間の生活には戻れないんだよ！！」
リュカが声を荒げて言う。
普通の人間には戻れない？
それってどういう事だ？