増血鬼〜裏切りの王子〜

□第七夜:過去の残像
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それは、ある魔界の森での出来事だった。

俺とリオンは、森にある秘密基地を目指していた。

俺達は、まだ幼い。

13歳に成り立てなのだ。

「なんだ、リュカとリオンじゃん…こんな森に何しに来たんだよ」

「あ、ルカ」

「そうか、魔邪の森まで来ちゃったか」

リオンは気付いてたが、俺はルカを見ていた。

やがてルカは、俺達の所へ来る。

「……お前ら、もし間違って此処に来たなら引き返しな」

「えー、なんで?この先に秘密基地が……」

俺はリオンに合図して、ルカの横を通り過ぎようとしたらルカに殴られた。

「りゅ、リュカ!?」

「いててて……酷いじゃないかルカ」

「バカかお前ら、この先に何があるのか知ってるのか?」

ルカが物凄い声で怒鳴る。

いきなりの事で、俺とリオンはポカーンとしていた。

更にルカは続ける。

「魔邪の森の奥は、魔界城があるんだ!知らなかったとは言わせねーかんな!!」

「……魔界城って何?」

「リュカ、お前そこから?」

リオンは呆れて、ルカは拳を震わせ怒ってるみたいだ。

「勉強し直せーーーーーー!!!!!」

そうしてリュカとリオンは魔邪の森から追い出された。
魔界の広場をトボトボ歩く二人。

右を見ても左を見ても同性しか居ない世界。

たまに女性と言う貢ぎ物が来る時があるが、子孫を残し…産ませた後天界に放り出される。

そして、男の子孫ならば魔界に残れる。

女の子孫ならば地上に投げ捨てられる。

何故、女性は酷い扱いをされるのか分からなかった。

ただ俺とリオンは、女性と言う存在を知らなかった。

「ところでさー、魔界城って何?誰が住んでんの?」

「……お前は、魔王って知ってるよな」

魔王………誰もが知っている。

そして、魔王の名前を軽々しく口にすれば死刑にされる程、恐ろしい存在。

このヴァンパイアに溢れてる魔界でゆういつヴァンパイアじゃない存在。

それが魔王だ。

「…魔界城に魔王が住んでんだよ!」

「えぇぇぇーーーーーーー!!!?」

誰もが最初驚く。

リオンが話してくれた事は、魔界城に魔王が住んでて魔界城の庭とも呼べる魔邪の森に住む魔邪の一族(すなわちルカの家族)が魔界城を守ってるらしい。

だから、奥に行こうとした俺達をルカが止めたんだ。
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