増血鬼〜裏切りの王子〜

□第八夜:魔界の変化
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魔界には、魔王と言う偉い奴が居るらしい。

そして魔王は魔界の兵を連れて俺を探してるらしい。

何故かは分からないが、きっと増血鬼だからだろう。

そして、瑠夏とリオンは魔界の刺客として人間界に来たらしい。

とにかく、今此処に居るのは危ないと言う事だった。

「正樹、君はもう居場所がないんだ」

「…っ」

人間界に居れば、いずれ大量のヴァンパイア達が現れて、世界は混乱と化すだろう。

そして、魔界に捕まったらどうなるのか分からない。

すると、リュカは俺の肩を掴み引き寄せた。

「正樹は俺が守る!」

力強くリュカに抱きしめられて、ホッとする自分が居る。

「正樹が愛しいなら、魔界に帰す事が一番なんじゃないのか?」

「………何?」

リュカが険しい顔をする。

リュカは知っている。

魔界に帰したら正樹に何が起こるのかを……。

俺は、もしかして皆を巻き込んでるのか?

リュカを……苦しめてるんじゃないのか?
俺はリュカから離れた。

「……リュカ、俺…皆が俺のせいで傷付くなら…魔界に行くよ」

リュカは目を見開いた。

正樹は魔界で何をされるのか知らない。

血を見知らぬヴァンパイアに捧げて、身体までも……。

リュカは必死に正樹の腕を掴むが、リオンの長剣により離された。

「何すんだリオン!!正樹が、正樹がぁ……」

「……正樹は、魔界に帰るって言ってんだよ?リュカに止める権利はないだろ?」

そう言い終わる前に、リオンと正樹の姿が消えた。

リュカは、唖然とその場に居た。

ーーーーーーーーー

魔界の小さな小屋、そこには薬とか置いていて一言で言うと、怪しい店だった。

「おや、サユリじゃないか…どうした?リュカと喧嘩したか?」
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