増血鬼〜裏切りの王子〜

□第三夜:明かされた裏切り
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俺は、一気に鳥肌が立った。

まさかコイツ、ずっとカバンの中に居たって事は俺の制服をずっと嗅いでたのか?

俺は、顔を強張らせながらサユリから自分の制服を取った。

「あっ、何すんだよマッキー!それ俺の……」

「黙れ変態!リュカに言い付けるぞ!!」

「…えっ!?」

サユリは、驚いて黙ってしまった。

そんなにリュカって怖いのか?

結構良い奴だと思うけど……(正樹にのみ)

そんなドタバタやってたら、瑠夏が起きてきた。

「…っん?あれ、正樹起きたの?」

まだ眠い目を擦りながら俺を見る。

そして、目を見開く……。

「んなぁぁぁ―――――!!!?正樹!!ソイツ誰だ!?」

それは俺が聞きたいが……。

瑠夏は、俺の後ろに隠れて怯えているサユリを指差した。

さぁて、どんなフォローをすれば……。

猫耳と尻尾って言ったら……。

「か、仮装?」

「そんなの俺が聞きてーよ!!ってか不審者か?」
めちゃくちゃ疑いの眼差しを受ける。

それに、なんでコイツは俺の後ろに隠れて事態を回避しようとしてんだよ。

「ほらサユリ、お前も何とか言え!!」

「……」

ん?あれ……今なんかサユリ……。

「マッキーラーブ!!!」

「ぎゃ―――!!!!抱き付くなぁー!!!???」

「正樹に何してんじゃお前―――!!!??」

そして、保健室で一通り暴れて俺と瑠夏はアホ猫サユリを置いて帰った。

本当に、由香ちゃんが出張で良かったよ。

それにしても、なんでさっきあんなに怯えてたんだろうサユリ。

「何だったんだアレ、コスプレか?」

「……さ、さぁ」

もはや苦笑いしか出来ねぇよ。

まぁ、コスプレだと思ってくれれば良いんだけど……何故学校に居たのかが疑問だよな。

「なぁ正樹、本当の事言ってくれ」

「……本当の、事?」

「その傷、どうした?」

瑠夏の視線は、俺の腹部を見る。

本当の事を言ったらどうなる?

瑠夏はどうする?
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