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□約束と
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「な、なんだ弦一郎いきなり大きな声をだして」
「すまん!」
「というか、さっきから後ろにもっているのは何だ?」
「あっ」
そういって俺は後ろに回り込んだ。
「…?これは…」
弦一郎が持っていたものをみて驚いた、と同時にいつかのことを思いだした…-
-なあ蓮二、来年の誕生日には何が欲しい?
-そうだな…今年は日傘だったからなあ…来年はお前の愛が欲しい
-ふざけるなたわけ!!
-ふざけてなどいないぞ?そうだな、真っ赤な薔薇の花束をもって俺に愛の告白というのはどうだ?
-〜〜っ!もうしらん!
-冗談だよ。ははっ
「弦一郎…これ…」
「遅れてすまなかった。今蓮二の家に行って渡そうと思っていたのだが手間が省けた。」
そう言って弦一郎はそれを俺の前に差し出した。
「蓮二、俺はお前と出会った時からお前が好きだった。今こうしてお前と一緒にいれて、本当に嬉しい。つい顔が緩んでしまう。お前は俺の世界一愛しい恋人だ。お前を産んでくださった親御さん、そしてここまで蓮二を導いてきた運命に感謝する。誕生日おめでとう」
「げんっ…」
俺の目の前には真っ赤な薔薇。
「まだ学生の身なのでな。これだけしか買えなかった。すまない」
そこには数本の薔薇しかなかった。
が、弦一郎が俺のために買ってきてくれたというだけで嬉しかった。
「あり…がとう」
「そんなに嬉しいか。この頃お前は泣き虫だな」
「五月蠅い…」
「おめでとう蓮二。愛してる」
そういって俺を抱き締めてくれた。
「忘れていたかと思ったぞ…」
「少し驚かせたくてな。それに少々覚悟がいるものだったのでな。」
「…ありがとう。俺も愛してる。これからもずっと一緒だぞ」
「ああ…」
しばらく俺たちはそのまま互いの愛を感じていた…-
「蓮二、来年はなにが欲しい?」
「早速それか。そうだな今年は愛の告白だったからな…来年はプロポーズでもしてくれ」
「は?」
「冗談だ冗談。聞かなかったことにしてくれ」
「蓮二、薔薇の花言葉はしっているか?」
「?ああ、確か愛とか情熱とか…そんなところではなかったか?」
「そうだ。では花束の意味はしっているか?」
「花束…?知らないな。」
「そうか…蓮二にも知らないことがあるのだな。」
「当たり前だ。で答えはなんなんだ?」
「さあな。秘密だ」
「は?おい弦一郎教えろ!!あ、待て!!!!」
「家でご家族が待っておられるぞ。急げ蓮二」
「はぐらかすな!!おい!!」
そうやって俺たちは家までおいかけっこをしていた。
-蓮二、俺は今日お前にプロポーズもしたつもりでいたのだがな…-
…-花束の意味は『結婚してください』-…
→あとがき