A

□最高のプレゼント
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「真田ふくぶちょ-!」


「なんだ赤也」


「今日は何の日かしってます?」


「今日…?知らんな」


「ほんとに知らないんすか?」


「ああ」


この様子だと本当に知らないみたい


恋人の誕生日くらい知っててくれたっていいじゃん


(まあ言わなかった俺が悪いんだけど)


「酷いっす!今日は俺の誕生日なんすよ!」


「そうだったのか。すまないな」


「ん。」


「…なんだその手は」


「俺今日誕生日」


「わかっておる」


あ-もう、ほんと鈍感


まあそれが真田さんだけど。


「だからプレゼント」


「先ほど知ったのだから何も買っているわけなかろう!後日買ってやる。」


「嫌っす。今日がいいんすよ」


「お前というやつは…」


「なんでもいいっすから!ハグとか頭撫でるのとか!」


「…では後者にしよう」


なんだよ。


ハグじゃないんだ


なんでもいいっていったけどほんとは真田さんが欲しいんだ


そんなこといったら頭撫でてもらうどころか機嫌損ねそうだからぐっと飲み込んだ


真田さんの手は大きくて暖かくてすんごい心地いい


このままずっと…


そう思ったらすっと手が離れた


と思ったらその手が俺の前髪をかきあげた


「副部長?」


不思議に思って見上げようとしたらおでこになんかがあたった


(え?これって)


「真田さ」


「今日はこれぐらいしかしてやれん。赤也」










おめでとう。










そう言って真田さんは去っていった


「でこちゅ-…」


ほんとあの人はずるい


俺の隙ばっかついてくる


だから俺はもう離れられなくなるんだ















おでこに残ったぬくもりが















俺を少し寂しくさせた










→あとがき
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