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□君だけ
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「…」
「…蓮二まだ怒っているのか?」
「別に怒ってなどいない」
「しかし顔が怒っているように見えるのだが…」
「もともとこういう顔だ。」
「だがしかし…」
「別にお前が赤也の頭をなでて、しかも手を握ったことなど怒っていない!!」
「やはり怒っているではないか…。それに俺は赤也の髪の毛に虫がついていたのをとっていただけで、手を握っていたといっても試合終わりに握手していただけであろう!」
「でも形は違っても頭を撫でて手を握ったのにはかわりはないだろう!」
「そんなことでいちいち怒っていたらきりがないだろう!まったく…蓮二はいつからそんなに子供みたいなことを言うようになったのだ?」
「俺はただ……ただ弦一郎に誰も触れてほしくないんだ…無理な話だとわかっている。だが…辛いんだ…哀しいんだ…」
「蓮二…」
「弦一郎の特別は俺なのに…俺は皆人と変わらない…っ」
言いっあているうちにいつの間にか涙を流していた。
「泣くな、蓮二。」
「げんいちろっ…」
「こうやって共に帰るのも、部屋にいれたり、夕食によんだりするのも蓮二、お前だけだ。」
「そんなこと付き合う前か
らしていたことだろう」
「それはお前が俺にとって特別だったからだ。お前は気付いてなかったようだが…。それに俺が他の誰かをこんな風に抱き締めたりしたか?」
「いや…ない」
「だから心配しなくてもお前は誰よりも特別だし世界で一番可愛い俺の恋人だ」
「…っ」
「どうした?蓮二。耳が赤いぞ?」
そういって弦一郎は妖しく笑った。
「うっ五月蠅い!!」
「ははっ。これで仲直りだな。今日もうちで夕食食べていくか?」
「…そうさせてもらう」
弦一郎には敵わない
これも惚れた弱み
こういう弱さならいいかもなんて思ってしまう
→あとがき