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□嫌い
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「なあ弦一郎」
「なんだ?」
「赤也に彼女ができたらしい」
「なにぃっ!?本当か!?」
「ああ、本人が先ほどいいふらしていた」
「そうなの…か…そうか…」
「(信じているようだな。そろそろネタばらしでもするか)弦一郎今日は何の日か…」
「蓮二、俺と別れて欲しい」
「…は?」
「別れて欲しいのだ。実は以前から赤也が気になっていたのだ。正直蓮二と赤也どちらのほうが好きかわからなかった。だが今はっきりとわかった。俺は…赤也が好きだ。」
「本気か…弦一郎」
「ああ。だからお前を好いていないのに付き合うなどできん。すまん…」
「そう…か、仕方ない…な。今までありがとう…げん…いっ…ちろ……」
「れ蓮二!?」
「す…きだ…った…いまもっ…すきっ…だ」
「蓮二…」
「やっ…ぱり……わかっれたく…ない…っ…すきだっ…すきだ弦一郎っ…」
「っ…!!」
「げん…」
「やはり無理だ…お前の泣き顔をみたら…堪えられんわ。嘘はやはりいかんな」
「…嘘っなの…か…?」
「ああ、そうだ。いつもお前に一本とられているから、今日くらいは騙してやろう…と思ったのだが…」
「じゃあ別れなくていいんだな…?」
「当たり前だ」
「俺より赤也が好きなのではないのだな…?」
「無論だ。俺が愛してるのはお前だけだ。他のやつなど目でないわ。」
「…馬鹿が。嘘つきめ。」
「お前の『赤也に彼女ができた』というのも嘘だろ?お前が言えた義理じゃない」
「ついていい嘘と悪い嘘がある」
「悪かった。すまん。好きだぞ蓮二」
「俺は大っ嫌いだ…世界で一番嫌い…もう一生隣にいたくない…」
「蓮二…」
「お前の優しいとこもカッコいいとこもテニスへの情熱も…全部嫌いだ。大っ嫌い」
「ふ。れんじ」
「いつまでも…俺の側を離れていろ」
「ああ、わかったよ。」
「…今日は4月1日だな。弦一郎」
「ああ、そうだな」
→あとがき