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□約束と
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「…」


「?蓮二どうした?いつもより無口だな」


「いや、別になんでもない…。」


「そうか」






今日は俺の誕生日だ。
別に期待していた訳ではないのだが、それにしても弦一郎からプレゼントは勿論おめでとうの言葉すら貰っていない。
いくらなんでも気落ちする。






「…」


「やはり変だぞ?何か俺が悪いことをしたか?」


「別に…」


「したのならすまん。」


「……ん……に」


「ん?なんだ蓮二」


「本当に忘れているのか…?」


「!?れ蓮二?なぜ泣いている!?俺はそんなに悪いことをしたすまな…」


「謝られても!!…謝られても意味がない…」


「れ…」


「大きな声をだしてすまなかった。今日はよるところがあるからここからは一人で帰ってくれ」


「まっ」


「じゃあな…弦一郎」






その後俺は家から少し離れた公園に行った。
よるところなど勿論ない。
ただ、弦一郎の隣にいたくなかった。
我が儘なのは承知だが…ここまで恋人に誕生日を忘れられると辛くてしょうがない。





 
「今日は姉たちが誕生日パーティーを開いてくれている確率92%…そろそろ帰るか…」


日も落ちかけた頃俺は腰をあげ帰路に向おうとした。


「…ん?あれは弦一郎?」


そこには何かをもちながらぶつぶつ言っている弦一郎が。
先ほどは少々悪いことをした、と思っていたので、嘘をついたことを謝ろうと思い声をかけた。


「……ん…め……きだ…」


「おい弦一郎」


「……ん……!?蓮二!?」


「偶然だな。なぜこんな処にいるんだ?お前の家とは方向が違うだろう?」


「いや…その…むぅ」


「?弦一郎、先ほどはすまな…」


「蓮二!!」


「ふぇっ」


謝ろうとした瞬間いきなり自分の名前を叫ばれて羞恥にも変な声をあげてしまった。
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