@
□ありがとう
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いかないで
いかないで下さいよ
先輩…
「はあ-…」
今日はほんと憂鬱。
ただでさえ学校なんてたるいのに特に今日は最悪。
「赤也〜!!ここにいたのかよ〜さがしたぜぃ」
「丸井先輩」
「こっちこいよ!今皆で写真とるんだぜぃ!」
今日は先輩たちの卒業式。
はっきし言って実感なんかなかった。
ずっと先輩たちとテニスしていられる気がしてた。
でも現実は違って。
「ほんと大変だったんだぜさっき!!仁王は女子に囲まれるわ、柳生と幸村は呼び出されるわで!柳と真田も手紙攻撃受けてたぞ!!俺もお菓子沢山貰ったんだぜぃ。」
「ジャッカル先輩は?」
「あいつは最初っから避難してたんだってよ!まじ用意周到だよな〜」
そういって先輩は笑って。
なんで笑えるんすか?
淋しくないんすか?
俺だけ…?
「あ、きたきた」
「やれやれ…卒業式がこんなにも疲れるものだとは思いませんでしたよ」
「まったくだ。」
「じゃあ皆集まれたことだし写真とろうか。」
「そうじゃな。じゃあジャッカルよろしく」
「俺かよ!?」
いつもと変わらない笑い声。
でもその中に俺はいなくて。
「俺がとりますよ。」
「何を言っているんだ。お前がいなきゃ立海テニス部ではないだろう?切原部長。」
ほらそうやってあんたたちは全部俺に押し付けて。
自分たちは新しい歴史を創っていくんだ。
「早くこいよ赤也!!」
「…へ-い」
いっそ全部消えちまえばいいのに。
この学校に来て先輩たちとテニスをした記憶も、テニスが好きな俺も、何もかも。
そしたらこんな思いしなくて済むのに。
「ほら笑って笑って-」
パシャ
「あ-…だめだこれ」
「なんでだよジャッカル-!!」
「赤也が笑ってねえ」
「ほんとだな。」
「どうしたんだ赤也。…赤也?」
「先輩たちはなんで笑ってられるんすか?悲しくないんすか??俺がいなくても…」
そう考えてたらなんだかツーンとして、いつのまにか涙が溢れ出していた。
「先輩たちはいいっすよ…また皆でテニスができるから。でも俺は…一人で…あんたたちなしで…全然楽しくなんかないっすよ!!」
「赤也…」