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□愛しさと
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「この問題はどうやるのだ?」
「ここはだな…」
どうしたものか…今日は何故かやけに蓮二が可愛く見える。
「…」
「そしてここで…聞いているのか弦一郎?」
蓮二は不機嫌そうに俺をみる。
その目がその唇がその髪が。
全て愛しくてたまらない
「ああ…聞いておる」
「嘘をつけ。先ほどから終始俺を見ているではないか。」
「そんなに何度もみてはおらん」
「回数的には確かに少ない。だが時間的に言うと…」
また蓮二のくせ。
全てを理屈で片付けようとする。
だから…
「ではこうすればよいか?」
抱き締める。
愛しいから、蓮二を感じていたいから。
「…時間が更に増えるだけだ。もっとたちがわるい」
「今だけ、俺の我が儘に付き合ってくれ…」
「今だけ、か?」
明らかな挑発。
それでもいい。
蓮二なりの愛だから。
「蓮二…」
今日も勉強が進みそうにない
→あとがき