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□ユメと僕
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-弦一郎
お前の名前を呼んでみる
そうすると
-蓮二
お前はそう答えてくれた
でも
《好きだ》
と声に出そうとしても声にならない
それは俺が臆病なせいか
それともここが現実世界ではないせいか
現実では言えないことばをなんとかして口に出そうとする
-好きだ
嗚呼、やっと声にできた
そう思って顔をあげるとお前はもういなくて
-好きだ…弦一郎
君にこの言葉は届かなかった
たとえこの言葉が届かなくても
お前の側にいられるのならば永遠にこの世界にいたいと思う
自分の幻想でしかないこの世界に
→あとがき