A
□君のせいで、
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《何回メールの問い合わせをして》
真柳
『好きだ』
そう俺が弦一郎にメールをしてもう20分近くたっている
昨日弦一郎にやっとアドレスを聞いて、調子にのって告白したらこの様だ
俺は本当に馬鹿だ
今日は雨が降っているからもしかしたら電波状況が悪くてメールが何かしらの理由で届かないのかもしれない
そう思って新着メールの問合せをしたこと数十回
その度に映し出される『新着メールはありません』という非情な文字
「本当に馬鹿だな俺は…」
明日からどう弦一郎に接していけばよいのだろう
もう元の関係には戻れないのだろうか
嫌だ
そんなのは嫌だ
弦一郎…
「好きだ…」
その時、家の呼び鈴が鳴った
「宅配でも来たのだろうか…」
家には誰もいないので仕方なく俺がでる
雨のせいか重い気持ちで玄関へと向う
そして扉をあけると…
「蓮二!」
「弦一郎…!?」
そこには愛しい彼
「どうしたんだ…」
「それはこちらの台詞だ!いきなりメールが返ってこなくなったので何かあったのではないかと不安だったのだぞ!!」
弦一郎は何を言っているんだ?
俺はちゃんと返したではないか
もしかして…
「弦一郎、俺はメールを返したぞ。」
「しかし、届いていないぞ!!!」
「『新着メール問合せ』はしたか?」
「あ…」
この表情からして弦一郎がはやとちりをした確率100%
しかしきてくれたことが少し嬉しい
「蓮二…このメールは…」
「俺のお前への気持ちだが、お前はどうなんだ?」
「…」
弦一郎はそのまま無言で俺の家をでていってしまった
ああ、本当に俺は馬鹿だ
また調子にのって…
そう考えているとポケットで携帯が震えたので手に取るとそこには『新着メール一件』の文字
そのメールを開いてすぐ俺は家をでた
速く、この足よ速く
彼に届いた手紙には想い人からの短いお返事
『両想いだな』
→何回感情のコントロールができなくなって