@

□約束と
2ページ/3ページ

「な、なんだ弦一郎いきなり大きな声をだして


「すまん!」


「というか、さっきから後ろにもっているのは何だ?」


「あっ」


そういって俺は後ろに回り込んだ。


「…?これは…」


弦一郎が持っていたものをみて驚いた、と同時にいつかのことを思いだした…-
















-なあ蓮二、来年の誕生日には何が欲しい?


-そうだな…今年は日傘だったからなあ…来年はお前の愛が欲しい


-ふざけるなたわけ!!


-ふざけてなどいないぞ?そうだな、真っ赤な薔薇の花束をもって俺に愛の告白というのはどうだ?


-〜〜っ!もうしらん!


-冗談だよ。ははっ












「弦一郎…これ…」


「遅れてすまなかった。今蓮二の家に行って渡そうと思っていたのだが手間が省けた。」


そう言って弦一郎はそれを俺の前に差し出した。


「蓮二、俺はお前と出会った時からお前が好きだった。今こうしてお前と一緒にいれて、本当に嬉しい。つい顔が緩んでしまう。お前は俺の世界一愛しい恋人だ。お前を産んでくださった親御さん、そしてここまで蓮二を導いてきた運命に感謝する。誕生日おめでとう」

 
「げんっ…」


俺の目の前には真っ赤な薔薇。


「まだ学生の身なのでな。これだけしか買えなかった。すまない」


そこには数本の薔薇しかなかった。
が、弦一郎が俺のために買ってきてくれたというだけで嬉しかった。


「あり…がとう」


「そんなに嬉しいか。この頃お前は泣き虫だな」


「五月蠅い…」


「おめでとう蓮二。愛してる」


そういって俺を抱き締めてくれた。


「忘れていたかと思ったぞ…」


「少し驚かせたくてな。それに少々覚悟がいるものだったのでな。」


「…ありがとう。俺も愛してる。これからもずっと一緒だぞ」


「ああ…」


しばらく俺たちはそのまま互いの愛を感じていた…-















「蓮二、来年はなにが欲しい?」


「早速それか。そうだな今年は愛の告白だったからな…来年はプロポーズでもしてくれ」


「は?」

 
「冗談だ冗談。聞かなかったことにしてくれ」


「蓮二、薔薇の花言葉はしっているか?」


「?ああ、確か愛とか情熱とか…そんなところではなかったか?」


「そうだ。では花束の意味はしっているか?」


「花束…?知らないな。」


「そうか…蓮二にも知らないことがあるのだな。」


「当たり前だ。で答えはなんなんだ?」


「さあな。秘密だ」


「は?おい弦一郎教えろ!!あ、待て!!!!」


「家でご家族が待っておられるぞ。急げ蓮二」


「はぐらかすな!!おい!!」


そうやって俺たちは家までおいかけっこをしていた。
















-蓮二、俺は今日お前にプロポーズもしたつもりでいたのだがな…-














…-花束の意味は『結婚してください』-…










→あとがき
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ