Poetry

□籠の中の鳥は・・・
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私は母の命と引替えに生を得た。




父は笑っていた。
『お前は父さんの自慢の子だ。』

と。




でも

私はやっぱり辛くて

重くて

自分が母を殺してしまったという強い脅迫観念に囚われ、自分から籠の中の鳥になり、鍵を開けてみようと思わなかった。



いや、思いたくなかったのかもしれない。




外に出るのが怖かっただけなのを、母の性にしてしまっていたのかもしれない。



母はとても強く美しく優しい人間だったと聞く。



周りが皆

『お前さえいなければ』
というような目で、私を見ているような気がして、ずっと怖かった。




そうして生きてきた私に、アナタは言ってくれた。




『そう思うなら、自分を磨けばいい。器を広く大きく深くするための努力をすればいい。天国でアナタのお母さんが、あれは私の子だと自分が命を懸けて産むことを選んだことに間違いはなかった。と、胸を張って言える人間になればいい。』

と。




その時のアナタの言葉が無かったら、私はずっと強迫観念に取り憑かれ、自分から進んで鍵を開けることも無かっただろう。









鍵なんて掛かっていなかったことを教えてくれたアナタに








ただありがとう。

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