Novelette

□14741キリリク
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「イルミ!イルミ!大変なの!」
「何?どうしたの?」

 午後のティータイムの為にせっせと準備をしている俺の部屋の扉が勢いよく開かれる。

「大変なの!無いのよ!」
「何が?」

 髪を振り乱し、汗だくの必死の形相を俺に向けるのはルナ。
 俺のフィアンセってやつ。


「下着が1枚無いの!」
「落ちてるんじゃないの?」
「探したわよ!でもどこにも無いの!」
「ふーん。新しいの買えば?」
「・・・それじゃ話にならないでしょ!それからアンタ何してんの?」
「午後のティータイムの準備だけど。」
「・・・アンタ、今何時か分かってる?」
「うん。午前8時。」

 そんな当たり前のこと聞いてくるなんて、失礼なルナ。

「・・・とにかくよ!昨日、家にヒソカとクロロ来てたでしょ?」

 なるほど。
 やっと飲み込めた。
 盗まれたんだ。
 ヒソカは変態だし、クロロは盗賊だしね。

「はぁ。しょうがないなぁ。じゃあ行くよ。」
「勿論よ!」



「やぁ★2人そろってどうしたんだい?」

 まず訪ねたのはヒソカのとこ。ぶっちゃけこいつが一番怪しいんだよね。

「昨日さ、俺の家から何か盗まなかった?」

 そう問う俺の横でルナがヒソカをにらみつけている。

「えぇ?この僕がかい?」
「うん。つーかさ、早く白状しろよ。このピエロ。」
「嫌だなぁ◆イルミ。僕はピエロじゃなくて、奇術師、だよ

 人差し指を一本だけ立てちっちっちと振る。
 今時指を振るなんて技効くやつ居ないし。

「どっちでも一緒でしょ?それに言い方キモイ。キャラ作ってるだけでしょ?いい加減飽きたんだよね。止めてくんない?いらいらする。で、盗ったのか盗らないのかはっきりしてよ。」
「・・・イルミ・・・君さぁ」
「何?早く白状しろって。こっちも忙しいんだって。午後のティータイムの準備があるんだって。お前なんかにこんなに時間割くとか有り得ないんだけど。ほんとさぁ、めんどくさいんだよねヒソカって。もう白状しなよ。楽になるよ?ほら言っちゃえよ。俺がやりましたって言えばいいんだからさぁ。」
「僕は何も盗っていないって言ってるでしょ★僕、自分で言うのもなんだけど、結構お金持ちだから。」
「自分で言うとかホント無いわ。しかもキャラ作り直そうと努力してるのがばればれ。」
「・・・君、あんまりそんなことばかり言ってると殺しちゃうよ?」
「かかってくれば?警察に通報してやるから。」
「・・・警察って・・・」
「で?盗ってないの?」
「盗ってないってば◇何度言えば分かるのかなぁ。」
「ホントだね?嘘だったらお前が寝てる時にガソリンぶっかけて火つけてやるから。」
「・・・イルミ・・・だよねぇ?」
「行くよ、ルナ」
「うん。」
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