※露骨表現無し、ただし最中!











「レ、ぁ…や、っ」
「、にぃちゃん、かわいい」
「ふぁ、う…、…」

真っ白な天井に、真っ白な壁。シーツも真っ白でカーテンも純白、他の部屋は汚いくせに異様に綺麗な、白に埋め尽くされたマスターの寝室ことこの部屋。
そして、この部屋に似合う真っ白な肌の相手の首筋に口付け、鎖骨に口付け、愛しいいとしいと身体に指を這わせる。
その度に跳ねるお兄ちゃんがどうしても可愛くて、ここまできてしまった。
既に自分自身が相手に埋まっている状態。
入口付近で微かに腰を動かすだけで、ひくうと喉を反らせ瞳を強くつむり中を締め付ける。

「ひぁ…う、レ、ン…」

それにつられてまた揺らせば、何度も名を呼ぼうと口を開いてこちらに縋るように両手を伸ばしてきた。

「にぃ、ちゃ…」
「レ、ン…、ぅ、」

ぎゅうと抱きしめてあげれば、内壁をえぐる角度がかわるのか、蜂蜜みたいに蕩けるような甘い声を漏らす。
欲しいと思ったラムネのビー玉みたいな青くて綺麗な瞳はうるうると子犬みたいに涙で潤まされていて、痛いのか苦しいのか気持ちいのか嬉しいのか辛いのか、わからないけれど、どれにしてもやめてあげるつもりはなかった。
ちゅ、と抱きしめたまま、小さくリップ音を立てて胸元に口付け。
粗く息をするために上下されている肩に苦笑いをしつつ、ごめんねと小さく呟いて、ぐ、と奥までそれを押し込めた。

「っ…う、ぁ、あっ、」
「ごめ、…いくよ、…っ」

台詞を告げた後から、相手の奥を更にえぐるように、ただ負担にはならぬようにと腰を打ちつける。
声にならない声がぎゅうと唇を噛んで閉じた口の端から漏れた。
目の前のその人しか、考えられなくなった時には、既に絶頂を迎えていた。



「う、ぅ…」

ぐわんぐわんという耳なり。
全てを吐き出し萎えた自身を中からずいと取り出せば脳が揺れて頭がじんじんと波が押し寄せるように痛くて、息が苦しくて、でも、上で思うがままに動いていた自分がこんなんじゃ相手はもっと辛いのだろうと苦笑い。毎度思うことだった。
相手を労りつつ、そっと頬に触れる。
はじめのころは意識が飛んでしまうこともしばしばだったけど、流石に、少しは慣れてきたようで、薄く虚ろ虚ろに視線を揺らめかせながらも、こちらに縋るように抱き着いてくる。
頬が熱かった。
てのひらが熱かった。
指先が熱かった。
身体中が熱かった。
その熱が自分への思いだと思えば、浅ましいとわかっていながらも、嬉しかった。
ぼーっとそんなことを考えていたら、相手の晴れ渡った澄んだ空色のそれがこちらをじっと見ているのに気付く。

「、……?」

少し疲れていたし、今声を出したら枯れている気がして、そんな恰好悪いのは嫌だったからと首を傾げるだけで対応する。
すれば、へにゃあと頬の筋肉を緩めて緩い満面の笑みを向けてきた。
う、うあ、可愛い。

「これ、あげる」

脱ぎ捨てた(否、俺が脱がせ捨てた)衣服をぐぐいとねっころがったまま引き寄せるというおおちゃくをしつつも、ズボンのポッケから取り出したそれを、ぐぐいと別にそんなことしなくても受け取るのに、思い切り押し付けてきた。

「…、えっと」

渡されたのは、
小さな青いビニール包の飴玉。

「綺麗でしょ?」
「きれいだけど…またなんで?」
「レン、好きだから」
「ん?」

こちらが先程と同じように首を傾げれば、同じように先程の笑顔を見せる。
どうにもこの笑顔には安心が溢れ出して力が抜けてしまう。この笑顔というか、実際はこのお兄ちゃんの全てによっての話だけれど。
でも、次がれた台詞には、妙に力が篭ってしまった。



「、…青いビー玉、好きでしょ」



相手にまわしていた腕を、更に深く回せば、締め付けるように強く抱きしめた。
勢い良すぎてひゃう、なんてかわいらしい声をあげられたって力を緩めたりなんて躊躇する気ない。

「なんで俺が好きだって思ったの?」
「え、…い、いつも、持って…」
「ふーん、見てたの?」

困ったように言葉を詰まらせる相手にくすくす笑えば、とりあえずとっとと食べてよ怒る相手にわかったわかったと身体を離して受け取ってあげた。
包みを小さく音を立てて開けば、中には綺麗な青色の、今は机に乗っている、普段は肌身さえ離さないそのビー玉に、本当によく似た飴玉。
本当に愛しいこの人の瞳にそっくりな、綺麗な飴玉。



ありがとうと小さく伝えてから、それを口に入れた。
甘い甘いラムネ味が口の中に広がる。

「おいし?」
「うん」

小さく頷いてから、軽く、ちゅと唇を合わせて、すぐにまた重ね飴の味の溶け付いた舌で相手に味を届けようと音を立てて舌を絡める。
下唇に口付けてから唇を離せば、恥ずかしそうに頬を真っ赤にしつつも、嬉しそうに優しく笑んだ相手をまた抱きしめて耳元でだいすき、って言った。
そしたら真似るようにだいすきーと幸せそうに擦り寄ってくる相手に、心がぎゅううと締め付けられた。



まないろドロップス
(綺麗な青いあおい空色)(欲しくてずっと集めてた輝く光り)(それは)(愛しいあなた色)




--------------
2008.7.26.

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ