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『ふあぁぁぅ…眠……』



その日は何時もと変わらず朝から極普通の一日だった
まず仕事に行くため、眠気を我慢し他人より多少(?)重い身体を布団から起こす





『ありったけの〜夢を〜かきあつめ〜♪………って赤で行っちゃったよ!あの車!?』







仕事場までの道程を車で
ONE PIECEのアルバムを聞きながら走る








「理恵ちゃん、これしといて〜」

『はい、分かりました。』

「これも無くなってたよ!」

『あ、はい!』

「ちょっと!売り場の商品、減ってきてるよ!!」

『今すぐにぃぃぃぃ!!』





先輩であるおば様達の嫌がらせ(?)にも負けず……いや、たまに負けそうか…(泣)








兄「おい、理恵」

『なに?』

兄「お前の部屋にあるONE PIECEのポスターとかパズルとかの絵、全部モリアに変えてやるよ」

『え?いきなり虐めですか?てか、アンタはマジでしそうで恐えぇぇぇよ!!』





仕事から帰れば兄に虐められ……





姉「なぁ、今のデブでぐうたらなヲタク生活のままと部屋にあるONE PIECEのグッズ全部捨てて痩せて健全な生活……どっちがいい?」

『100%前者。ONE PIECEは何があっても捨てん!!』

姉「はぁ………この人生負け犬野郎が


ガッ!!


『えぇぇぇぇ!?素直に答えただけなのに!!?痛ぁぁっ!!』






夜にいきなり部屋に現れた姉に変な質問をされ、素直に答えれば罵倒されながら腹を踏みつけられる










『ちくしょぉ…何で私がこんなめに………』

姉「太りすぎ、肥えすぎ」

兄「体重が某ダイエット乙ゲー(ラブ〇ボ)主人公と同じじゃなぁ……」

『うるせぇ、うるせぇぇぇ!!痩せれないもんは仕方ないだろ!!(泣)』

「「努力しろよ」」

『うっ…!』










ダイエット?
は!そんなもん過去に何回やってきたことか
テレビでやってたバナナダイエットに林檎ダイエット、黒豆にマイタケ………
……うん、食べ物系ダイエットばかりなのは気にしないでおこう…













『はぁ…………』










今は夜の12時を回ったところ
布団に座り部屋に飾られたルフィとゾロのポスターに目を向ける








『ルフィ達なら太った私でも仲間に………なんてね、馬鹿な考え……』











毎夜、毎夜…
そんな馬鹿げた空想に浸る

恐らく…
毎日携帯で
トリップ夢小説を
読んでいるせいだろう





あぁ……
本当にONE PIECEの世界にトリップ出来たらなぁ……







窓から覗く月が暗い部屋をうっすらと照らす





『もう…飽きたなー、こんな世界………』




























「なら、こっちに来ちゃう?」











『は…?』





いきなりの声に部屋を見渡すが誰もいない



え?遂に幻聴すか…?
やべぇ……私の脳内は既に壊れていたのか!!?








「大丈夫、幻聴じゃないよ〜♪………さぁ、ゆっくり目を閉じて……」








『うあ…ぁ…………』















どこからともなく
聞こえた声に誘われ



私はそこで
意識を失った………









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