水平線の向こう。
□拍手跡部連載
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授業中に寝ていて、気がついたら休み時間も残り1分。
教室はガランとしていて誰もいなくて。
(起こしてくれてもいいのに…。)
心の中で悪態をついて前を見れば、
“起こしても起きないから先に行くね”
と自分へのメッセージが書かれていた。
確か次の授業は口うるさい先生だ。
早く行かないと、そう思って急いで教室を飛び出した。
廊下を走りながらも頭に浮かぶのは、
昨日の夜ドラマでやっていたお決まりのシーン。
廊下の曲がり角で男の子とぶつかって……その人が運命の相手で…。
そんな事実際に起きるわけないのに、そう思って角を曲がる。
生憎そんな運命みたいな事は起きなかったけれど、
その代わりと言ってはなんだけれど、
一段飛ばしで駆け下りた階段を、途中から足を踏み外して落っこちた。