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□弱み
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隼人さんと一緒のときに、


ときどき訪れるきゅんとする瞬間


人によっては、そんなことがって思うことも、


隼人さんがいるだけでまったく違う日常になるんだよ









1つ目


私の部屋に来てくれたあなたが、

無造作にテーブルの上に置いた、

ケータイや財布や車のキー


あんなに女の子にキャーキャー言われる隼人さんの、

すべてを託してくれてる気分になるの


この瞬間は、ちょっとした優越感





2つ目はね


私がシャワーを浴びたあと、

「こっち来い」って言う隼人さんの隣で、

髪を乾かしてもらうこと



料理作るの手伝ってって、いくら言っても

「は?いやだね。人に作ってもらったが上手い」

とか言って、何にも手伝ってくれない貴方が、

絶対にこれだけはゆずらないよね










そして最後はね


体を重ねたあと、


私は決まって隼人さんに抱きしめられて眠る





夜、


私がちょっとでも寝返りを打とうとすると、


その瞬間、あなたの腕が私を離さないかのように締めつけるの







無意識なのか


寂しがりやなのか


守られてるような、


反対に守ってあげたくなるような、


なんだか心がくすぐったくなっちゃうの





普段あんなに態度の大きな隼人さんが、


まるでぬいぐるみのように私を抱く





きっと、これは彼の癖


普段は輝くほどに周りを惹きつける貴方の、


愛した人だけに見せる癖



あなたも気づいてないから、まだ言わないけどね


言ったら怒って否定するかな?


もう抱きしめてくれないかな?


失いそうで怖いから言わないよ




この不安が

あなたに惚れた弱みであるように、

隼人さんの不安も、

弱いところも、

もっと私に見せて欲しい




きゅんとさせられてばかりで悔しいのに


あなたのこと、


こんなに知っても


まだ足りないよ








あなたを知るごとに、

あなたの癖が、

腕が、

しぐさが私を支配する





FIN

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