大分前だが、下流の花水川橋横のレストハウスの前の林で、他殺体が発見された事がある。

花水川が流れこむ浜は大きな波が立つので、サーフィンのメッカになっている。
当然、溺死者も皆無ではない。

ここはルアーのシーバス釣りの名所でもある。これは主に夜釣りで、
ヒザ辺りまで海中に立ちこむ場合が多く、波にさらわれる釣り人もたまにいる。

これだけいわくがあるんだから、この辺で夜中に待っていれば何かしらが出そう。
フキノトウがたくさん生えてたのが印象的だったので、4月の初旬位かと思いますが
その日は仕事が早く終わったので宿の裏にある山道を探索しようと思い、山道を登って
いたところ、山の中から『カツーン、カツーン』という聞きなれない音が時折聞こえて
きました。伐採かなとも思いましたが、ちょっと違う感じの音で、また伐採など行うにはこの
時期は無いだろしないだろと思いました、おまけに音が聞こえる方角に行くには私が上って
いる道しかなく、その道は車の進入は不可能なほど荒れていました。
音の発生位置などを特定しようと思い足を止め耳を澄ますとその音は聞こえてきません。
ちょっと気味が悪いなと思いましたが、日暮れには時間が有るし気にしないようにして
小一時間ほど歩き、同じ道を引き返しました。
その帰り道ですが、来る時に『滝不動』という標識があったので帰りに寄ってみようと思い
その方向に行ってみました。そこには高さ10m程度の滝があり、その滝の上のほうに不動尊
がありました。その不動尊を見ているとなぜかそこに行ってみたくなり、衝動的に登ってしまいました。
登ってから足場が非常にすべりやすい事に気が付きましたが、すでに遅くチョットまずかったな
と思い気をつけて降りようとしたところ、案の定転倒してしまい、もう少しで小さな
滝壷に落下する寸前で止まりました。
その後何とか下まで降りることが出来たので、感謝の意味を込め、そこにあった賽銭箱に小銭を入れた
ところ、先ほど山の中で聞こえていた『カツーン、カツーン』という音が、近くから聞こえてきました。
私はかなりあせって、走って人家があるとこまで戻りました。

ほっと、一息ついて怪我は無いかと思い確認しましたが軽い擦り傷以外はなく、安心しました。
今何時だろう?と思い腕時計を見たところ、ガラスが綺麗にぱっくり割れていました、時計の外装
や文字盤には全く傷がなくガラスだけが綺麗に。

後日談としては時計の修理代に3万以上かかった位ですが、その時計は大切な人からもらった物
だったので、今でもその時計が守ってくれたのかなと思っています。


[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ