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□坂田銀時
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「花より!」

「団子アル!」



桜が桃色



「銀時! みたらし団子!」

「桜餅アル!」


私達は今、花見に来ている。
万事屋でテレビを視ているとニュースでお花見中継がやっていて、それを見た私と神楽ちゃんが行きたいと言ったら、暇だし行こうかということになった。

因みにと言うと、銀時は来てからずっと酒を飲んでる。
ふん、この酔っ払いが。


「もうすぐ新八が戻って来る。それにおめーら、花見団子といえば三色団子だろ」


五月蝿いなぁ、この飲んだくれ。
一人、酒を煽る銀時にちょっとムカついてきた。
私はなんとなく桜を見上げる。

あ、そうだ。
暇な私は、ちょっとした意地悪を思い付いた。


「銀時、銀時」

「なんだよ」

「桜の花って、何でピンク色か知ってる?」

「もとからそうだろ」

「違うよ、昔は白色だったの」

「じゃあ、なんでだよ」

「桜の樹の下には死体が埋まってるんだ」

「………なっ」

「で、桜はその死体の血を吸ってピンク色になるの」

「……冗談だろ」

「なんなら、掘ってみようか?樹の下」

「ななな何言ってんだ」


明らかに動揺し始める銀時。
私はそんな銀時を見るのが楽しくなって来て、更に嘘を続けるため、敷いてあるレジャーシートから立ち上がる。


「や、止めとけ! あ、言っとくけど俺が怖い訳じゃねーぞ! おめーが怖がると思って…!」

「大丈夫。私、怖くないから」

「いや、でもな、ほら! 折角その死体も桜の樹の下で安眠してるって言うのに、掘り返したら可哀想だろ!」

「ずっと、栄養吸いとられるよりはいいと思うよ」

「でもな! し、死体除けたら桜がピンク色じゃ…!」

「ブフッ!」


堪えきれず、不覚にも吹き出してしまった。
勿論、銀時は不思議そうな顔をしている。


「ハハッ! 嘘だよ、銀時慌てすぎ」

「………おめーなァ」

「ほら。掘っても何も出てこない…」


そう言いながら、私は近くの桜の樹の下を掘り返した。
すると、手に当たる硬いもの。
更に掘り進めた私は、絶句した。


「………銀時」

「なんだよ」

「ごめん、嘘じゃなかった」

「は?」


私は桜の樹の下で、銀時を手招きする。
それに応じて銀時は、気だるそうに私に寄って来た。


「なんだ…よ…」


銀時も同じく私の手元を見て、絶句する。
その日、桜の花が満開の公園に大きな叫び声が響き渡った。




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