*小説*

□○欠片●第一章
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ーゥルセェ...

そう 思う度に俺は
音量MAXのイヤホンを耳にはめた

“俺は、逃げてたんだ”


【欠片】

適当に笑って相手に合わせて、流行モンについてって、程よく悪さしたり先生に反抗したりしとけば良い。

人間って そんなもんじゃねぇの?

――――――――――――――――――――
「悠、ぉはよー!!」

「悠!一緒に学校行こうぜ〜」

「ぁ、東雲君!ぉはよっ」

…よく朝からそんなデケェ声出せるな。
東雲悠(シノノメ ユウ)高2。
結構つまんない学生生活おくってマス。

取り敢えず挨拶は返さなきゃな〜なんて思いながらいわゆる蚊の鳴き声的な感じの大きさで挨拶を返した。

「何だよお前っ声小さ過ぎだろー!!朝からテンション低いなー!!!」

そういうお前(白城 翼)はテンション高すぎだろ。
そして何故俺の歩調に合わせて隣を歩いてんだよ。

そんなに殴ってほしいのか?

「んー…ァー…朝、苦手なんだよなぁ」

なるべく眠たそうな顔を作りながら、俺は肩よりも下まで伸びている茶色の髪を後ろで結ぶ。

教室に入れば大半の奴等が俺に寄ってくる。ぁあ..ただでさえ暑いのに…寄ってくんなよ。

「東雲君!CDありがとっ!すっっごく良かったよv」
「ぁ、そぉ?それは良かった良かった。また何かあったら貸すよ?」

「ゆ〜う!この漫画、今日貸す予定だったろ?絶対面白いからな!」

「サンキューv明日返すな〜」

毎朝こんな感じ。
どうしてこんな貸し借りが楽しいんだろーな。正直言って人に物貸すとかあり得ないんだけど(笑)


俺には兄が居る。今はもうどっか行って居ないけど、俺は純粋に兄が大好きだった。

カッコ良くて、頭が良くて、モテモテだったし…とにかく全てにおいて完璧とも言える兄だったんだ。

でも結構裏ではやんちゃしまくり(笑)

そんな兄がいつも俺に言ってた台詞

『ぃいか?悠。常に周りに人を作っとけ、人生の勝者になれよ?笑顔が大切だ。smileだぞ?』

よくもまぁ、こんな意味の分からない言葉を毎日言えるもんだよなー…
それを覚える俺も俺だけど(笑)

でも、、その意味の分からない言葉のお陰で俺は人生の勝者とやらになっていたと思う。
だが…俺のそんな生活もある奴によって狂わされるんだが...


何時ものように机に頬杖ついて外を眺める。この短時間で何度欠伸をしただろう…睡眠不足かね……

「はーぃ。席つけー」
赤淵眼鏡が印象的なセンセー。ぇっ…と、なんだったっけ..名前は忘れた。

「今日は〜、転入生が来たからな〜仲良くしろよ〜」

この間延びしてる声がちょっとウザイ。
だが、この時期に転入生は珍しい...ちょっと気になるな…


そいつは、俺と同じくらいの長さの髪。ただ、違うのがソイツの髪色が黒だったこと。
今時珍しい...

目はクリクリしてて女みてぇで、ぃや、本当、女みてぇ...しかも超笑顔ー★

「初めましてっ秋月流(アキツキ ナガレ)です。宜しくお願いします」

よくありそうな自己紹介をしてペコリと頭を下げた。

周りからは可愛いーとか、そんな言葉が微かに聞こえる。

秋月は、俺の後ろに座った。
…ここは、自己紹介しとくべきか…?
そんなことを迷いながら黒板を睨んでたら、前の席に座ってる翼が後ろを向いてきた。

「ォイ悠!転入生に挨拶しろよっ」

「ぁ、やっぱ挨拶した方がいっかぁ?」

ダリィー..そう思いながら転入生の方を向く。。

「俺、東雲悠ってんだ。宜しくな?」

「ぁ…うん!俺は秋月流!宜しく!」

明るい笑顔ー…俺とは正反対だな。
俺も昔はこんな純粋だったんかねー…(笑)
その後の一時間目は、、
寝てたからよく覚えてない...

ただ、よく覚えてたのは後ろから聞こえる筆音。
…真面目だねぇ?

ふと視界に入った欠伸をしている翼には少し共感できる..かもしれない。
ぁ、眠いことに共感するって意味な。

俺は大体授業は受けない派。
ぁ、これは演技じゃなくて素でな?(笑)

ダルイ授業もようやく終わり、やっと昼飯…ぁー…勉強してねぇのに腹減った...

購買に行けば長蛇の列。
取り敢えずその中に入っていってリンゴジュースとメロンパンを買って屋上に向かう。

約四階ぐらいまでの階段が非常にキツい。。。
ハァ..もう俺も年かなぁ…(笑)
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