その他
□二両目の恐怖
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『「「………。」」』
私達は、あれから自分達の席に戻っていた。
そして、無言である。
─先程
『…ぐぅ』
私は、死体を見ない用にしながら口元を押さえ深雪を抱き締めた。
「…空っ」
深雪は、震えて目の焦点が合っていない。
私は、一度深く深呼吸をして自分を落ち着かせた。
『…ふぅ、深雪、立てる?』
私は、優しく深雪に言った。
「……。」
深雪、私に抱き付いたままで無言だ。
『…深雪、ちょっと我慢してね』
そう言うと私は、深雪を横抱きにした。
こんな時に、そんなロマンチックなことを言っていられないが、属に言う ″お姫様抱っこ″の状態だ。
私は、深雪を抱いて死体から遠い二両目のドア付近に座らせた。
『ここなら少しでもマシだから…ね』
私は、そういい深雪の頭を撫でてあげた。
「…(こくこく)」
深雪は、無言だがしっかりと頷いた。
私は、深雪はこれでよしとして死体の場所に戻った。
『天河さんっ!』
今度は、蹲っている天河さんに近づいた。
少し気分が悪そうに手を口元に当てていた。
『大丈夫ですか?』
私は、背中を擦りながら言った。
「……はぃ」
消えそうな声で呟いた。
『…天河さん。とりあえずここから離れましょう』
「…そ…ですね」
天河さんは、小さく言った。
『立てますか?』
「…はぃ」
天河さんは、よろけそうになりながらも何とか立ち上がった。
『おっと…』
私は、よろけそうな天河さんの肩を支えた。
「…すいません」
天河さんは、申し訳なさそうに言った。
『…いえ、気にしないで』
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