五十の音

□苦しいときあなたがいて
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【苦しいとき、あなたがいて】


きらびやかなパーティ
そんなものいらない、
本当にほしいものは


留「(一郎・・・。パーティーに呼びたかった。
というより、こんなもの開かれてほしくなかった)」


自分か書いた小説が賞をとった
文学界では名誉なことらしい・・・でも
俺はこんなもの要らない・・
どんなにえらい人に褒められたってうれしくない
アイツに一番褒めてほしかった。

遠く、遠くならないように
俺はたまに会いに行く
そうすれば、近くにいる気がした

俺は人が嫌いだから、
こんなところいたくない
家で閉じこもりたい

でも、そんな俺を一郎は引っ張り出してくれる。
そんな一郎が俺の唯一の癒し


『小説よみましたわ、とてもすてきでした』
留「はぁ、それはどうも・・・」

嘘つけ、賞をとったもんしか読まないくせに。
そういうの俺は嫌いだ

『私、吉良さんの小説すきですわ。
やっぱり、素敵な心を持った人にしかかけないと思いましたもの』
留「・・・ありがとうございます」

よくもまあ、そんなことがいえる
俺はそんな心持ち合わせてなんかいないさ

どす黒くて最低、
暗くてしゃべるのもへたくそ


そんな俺をあんたが知ったら
どういう反応を示すだろうか?

少なくとも一郎は俺を受け入れてくれる
どんな俺でもね



留「嗚呼、一郎に会いたい」






窓の外の星空を眺めてポツリ



=一郎は留威の安定剤






留威は一郎のこと凄い気に入ってる。

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