鬼と仏の福笑い

□1
1ページ/2ページ


笑う門には福来る
そのことわざはあっているのか
あっていないのか・・


そう、うちは今日運命の出会いを果たしたのだ。




笑い
【1:袖振り合うも多生の縁】


いつもと変わらない屋上
そこで一人の少女は空を見ていた

綺麗な茶色の髪がふわふわと揺れた


「あー、つまんねぇ」


ここは都内の高校の屋上
彼女はいわゆるさぼりだ
彼女はあくびを一つしてそこに寝そべる


すると、ドアのほうから大きな音が聞こえた
基本めんどくさがりな彼女は見つからないようにドアの上の所に寝ているのだが
こんなにうるさいと起こされてしまう。

そっと、ドアのほうを見ると何やら複数の男子が一人の男子を追い詰めている
まるでカツアゲだ


「てめぇよぉ、人にぶつかっておいてただですむとおもってんのか?」
「でも・・ぶつかってきたのはそっちじゃ・・・」
「あぁ?なんかもんくあんのか!?
さっさと、金出せよこらあああ・・・ぐはっ!」

一人のおとこが胸倉につかみかかった時だった
鈍い音とともにその男はその場に崩れ手言ったのだ

「おい。うっさいねん、だまれや」

「「!!!!!。」」

先ほど寝ていた少女がいかにも機嫌悪い顔で言う
そこにいたいじめていた男共全員が固まった。


「そこでなにしてんねん。」
「いや、その・・」
「うちの領域内でカツアゲとは・・・ええ根性しとるやんけ」
「「す、すみませんでした!!」」



その少女がこぶしを出した途端、男たちは去っていった。
ぽつんと残ったのは、少女といじめられていたぐりぐり眼鏡の少年



「あ、ありがとう」

「あ?なんやねん、お前もうちの昼寝の邪魔しようもんなら殺すからな」

「でも、嬉しかった」

「ったく、お前・・でかいな・・」

「え?・・へへ、図体だけはでかいねん」

「ほー・・(なんでいまどきそんなダッサイメガネしとんじゃ)」

「あ、君の名前・・」

「?・・ワレ、うちの名前知らんのか?」

「うん・・この前引っ越してきたばっかで」

鬼「そうか、…まぁ、えぇ・・
うちの名前は、鬼灯桃(ほおずきもも)ゆうんや
嫌いなことは人付き合い、好きな言葉は暴力。
さあ、さっさとうちの屋上からでていってくれる?」


ぷいっと昼寝の続きをするように鬼灯はもう一度屋根上に上った。
少年は嬉しそうに、その姿を見ていた。

仏「ぼ、ぼくは、仏気大河(ほとけぎたいが)っていうねん!」

大きな声で言う
鬼灯は返事もせずそこに寝そべっていた。


仏「そんで、そんでな・・また、ここにきてもえぇ?」
鬼「はあ?きこえんかったんかい!ここはうちのテリトリーじゃ!」
仏「えぇやろ?・・東京で関西弁通じるん鬼灯さんだけやねん・・・たぶん」
鬼「・・・きしょ。」
仏「や、やからぁ・・ぜったいくるからな!」

仏気は大きな声でそう言い鬼灯にそう言い
怒られる前に教室へと帰って行った。
これが、二人の初めての出会いだった。






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ