鬼と仏の福笑い

□12
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ずっと羨ましかった。
だって、あなたはいつもみんなの中心だもの。

【12:口は災いのもと】


鬼灯は大倉を連れて元木たちのいる保健室へと連れて行った。
それは大倉も改心して二人に謝りたいとのことだった。
仏気はというと大倉が言っていた通り自分を待っている人物が屋上にいるというので
屋上へと向かった。



仏「おまたせ〜・・・って俺を待ってるのは誰や?」

がちゃりと屋上のドアを開けるとそこには仏気も知っている人物がいた。

東「仏気くん…。」
仏「あ、東さん。どうしたん?」


東がそこに立っていて仏気は何の用だろうと
側に駆け寄った。
すると東は急に仏気に抱き着いた。
仏気はあわてて引き離そうとするがいがいにがっしりとつかまれていた。



仏「ど、どうしたんや!えええっと東さん?」
東「仏気君。私ね、あなたのこと…好きなの!大好きなの!」
仏「え?え??」


仏気は突然の告白に耳を疑ったが
東の本気が見て取れたので仏気は一瞬で冷静になった。


仏「東さん・・・・それは、ごめん・・」
東「知ってる。知ってるよ、仏気君が桃ちゃんのこと好きなことくらい。知ってる!
でも、私…。私はあなたのことが好きなの!」
仏「!!」


仏気は驚いた。
自分の鬼灯に対する気持ちが東にばれていたからだ。
鬼灯でさえたぶん気づいていないのに
他人にはやっぱり気づかれたみたいだ。


仏「いつから、わかってた?」
東「やっぱり・・・・桃ちゃんのこと好きなんだね。」
仏「否定はしない」
東「やめといたほうがいいよ。桃ちゃん競争率高いし、しかも桃ちゃんには好きな人いるから・・・」
仏「え?」
東「そ、そうよ。桃ちゃんにも好きな人いるの。だから、私と付き合った方が・・すんなり彼女できるよ?ね?」
仏「鬼灯…好きな人がいるのか…」


仏気には東の言葉は届いていいなかった。
まさかの鬼灯に好きな人がいるなんてと
少し絶望してしまったからだ
それは、東のついた嘘とも知らずに。




東「、だ、だから・・」
仏「だれなんや」 
東「へ?」
仏「鬼灯の好きな奴。」
東「それは・・・・。そ、そんなこといいじゃない!桃ちゃんが誰を好きかなんて」
仏「話をそらすな!答えてや!」


仏気は勢いよく東に問い詰めたが東は後ずさりするだけ。
その時、屋上のドアが一気に開いた。


鬼「よう、仏気!練習するで!」


鬼灯だった。そしてその後ろには大倉がいた。
どうやら屋上に上がる権利をもらえたらしい。


仏「練習?」
鬼「あー。もしかしてお邪魔やった?」
仏「別に?なあ東さん」
東「…。」
鬼「ちょ、え?なんやねん胡桃!!」


東は鬼灯の隣に立って、その腕をつかみ鬼灯ごとどこかへと連れて行ってしまった。



仏気は心配ながらもそのあとを追いかけようと思った。
が、大倉に止められた。


仏「なにすんねん。」
大「…今は、二人にさせてあげてください。」
仏「なにいっとんねん!」
大「あんた、まだわかってないんですか。
東っていうあの女の子はあんたが好きなんですよ。」
仏「…しってる、さっき聞いた。」
大「!・・・・。で、振ったんですか」
仏「ああ。」
大「あんた本当に馬鹿正直なお方だ。
でも、無駄でしょうね桃さんには好きな人がいるし。」
仏「…そうなのか。」
大「どんな断り方したんですか。
あの人すごく傷ついた顔してましたよ。」
仏「…普通に断った。俺は俺の気持ちに正直にいたい。」
大「・・・・本当に…、バカ正直な人だなあ。」



大倉はあきれながらも仏気を屋上にとどまらせるため、
ドアに立っていた。










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