シーユーインザフューチャー
□やさしさはすぐそばにある
1ページ/1ページ
泣き言など口にできるはずもない。痛くて、つらくて、それでも何ともないふうに私は前を向かなければならなかった。誰かが思う私のように、颯爽と歩かなければならなかった。
私はすべてと戦わなくてはならない。消えない過去とも、逃げたくなる今とも、見たくない未来とも。人に頼ることなどできず、私は私とも戦っていた。
名前も知らないあなたがそっと、私しか知らない痛みの在りかを見抜いたとき、その瞬間に私はきっと解放された。意気地のない自分から、反比例する感情から、逃げ場のないしがらみから。
涙が止まらなかった。生きるための苦しみは消えないけれど、私はもう、解放されたのだ。私は私の幸せを願ってもいいのだ。