アンド、ユー?
□Thank You For Loving Me.
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いつもと違う空だと思った。遠く遠くまでひろがる青は変わらないはずなのに。ぽっかりと浮かぶわたしがただひとりぼっちということだけで、なにもかもが違って見えた。
現実を嫌がる心の、せめてもの抵抗でしかないのはわかっている。
今、あなたと私をつなぐものは何ひとつ証明できない気がした。記憶をたよりに生きていくとはそういうことだ。
かつて誓った言葉がどれほどの意味をもつというの。
何でもいい。答えがほしい。
絶望はやがて訪れる。津波のように。押し寄せては去ってゆく思い出が、あなたの声が、体温が、その腕のつよさが。
私ごとさらってくれたならどれだけよかったろう。
私こそがあなたの証でありたかった。たとえイコールで結ばれなくとも、確たるものがほしかった。
私はどこまでも欲張りで、いつまでもあなたといたかった。
(good-bye, and I love you,)