アンド、ユー?
□蛍光フロゥライト
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もう私はとっくに自分のことじゃ涙を流せなくなっていた。自分が感じるさみしさややるせなさが日常で飽和している。感情が麻痺しているのではない。ただひとつ、諦めだけが目の前にいつも転がっていた。私は何かにすがりつくこともせずに、押し込めた気持ちを忠実に諦めに変える。傷つかずにすむ唯一の方法だった。そうして私は鈍感になってゆく、自分と他人の痛みに。
いつか何も感じなくなるであろう私は今日、ヒトの幸せに自然と涙が溢れたことに、心から安堵したのだった。