アンド、ユー?

□同化する夜
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眠りたいのに眠れない。眠たくもない。こんなときは決まって、余計なことを考えてしまう。眠らなくてはならない。

枕に顔をうずめて深く呼吸する。お気に入りの柔軟剤に混じるあなたの匂い。残り香などなんの意味もない。手を伸ばして届く距離にいられないのなら、なにもかもなくなってしまうほうがいい。

すべての思考があなたへ向く。なんだっていい、声がききたい。そばにいてほしい。あなたがほしい。どれだけ求めてもどれだけ与えられても足りない。終わりがない。


夜に溶けてゆく。夜が侵食する。
夜に、取り込まれる。






 

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