アンド、ユー?

□ゆめのさかな
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照りつける太陽と溢れかえる湿気がわたしの中に染み込んで、わたしは枯れることも満たされることもできずに眠りに落ちた。

夢の中ではちゃんと自分一人で呼吸ができる世界にわたしは生きている。外との境はひどく曖昧で例えば魚のように水中で優雅に泳ぐかたわらで水面を出ればのたうちまわるだけだなんてそんな簡単にはいかない。空間のど真ん中でわたしも優雅に生きることができればいいのだけれどやっぱり外の世界が恋しくなってしまう。それでもぎりぎりの距離を保ってけして境界線を越えないように踏まないように。(目に見えるものではないからとても難しい)(それがどこなのかはわたしにもわからない)遠巻きに見渡しては想像するだけ、自分以外のことは。それが唯一できることだから。(外からわたしは見えていない)(きっとそれでいい)
いつか尽きてゆく酸素に巻き込まれ、わたしは夢の中ですら呼吸もできなくなってしまうのだろうか。

なんて不安定で不器用で素晴らしい世界。
わたしは今も生きている。






 

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