05/10の日記

14:53
どうなることか……
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まだまだ世の中どうなるかわからず、予定の立てにくい今日この頃。
FF7RもGW中にクリアしてしまいました。
今2周目です。
今回は新たな展開が期待できる?とときめいております。
パラレルワールドかな?

とらのあなでの通販お買い上げありがとうございます!
So Bitter,So Sweetは残3冊となりました。
お礼申し上げます<(__)>

だいぶ時間経ちましたが、「ああ、おきつねさま!」の続きです。

ザックスの住む貧乏長屋を出てすぐの通りにある一膳めし屋の『七天屋』は、味よし、品よし、値段よしの三拍子そろっためし処だ。
その上店を仕切る若女将のティファは、美人で人情に厚い。
この界隈で一番の人気者だ。
今日も昼飯時の賑わいが一段落してから店の前を掃き清めていた。
夕飯の支度にはまだ時間もあり、ちょっと一息といったところだ。
やれやれと腰を伸ばして辺りを見回した時、その子供が目に入った。
腹を空かせているのかふらふらと力なく歩いてる。
(どこの子かしら?みかけない子)
その子は空気の匂いを嗅ぐようにふんふんと顔をもたげると、くるりとティファの方に向き直った。
小作りの白い顔縁取る髪は、不思議な色合いだった。
日の光を反射したその髪は一瞬きらりと淡い黄金色に光った。ふわふわした金の髪の間からはピンと尖った耳が見える。
(え?なに?)
じっとみつめるとその髪は何の変哲もないぼさぼさの黒い髪に変わり耳も消えた。
ティファはごしごしと目をこすった。
(焼き鳥の煙浴び過ぎたかな?)
短い粗末な着物からは細くて白い足がにょっきり出ている。
子どもは「おなかすいた……」と呟くとふらふらティファのところに向かってきた。
(やだ、この子、痩せすぎ!)
ティファの胸はきゅるんと締め付けられた。
猫でも犬でも鳥でもお腹を空かせて痩せ衰えているのは見るに堪えない。
(食べさせたい!)
ティファの保護欲がむらむらと沸き上がった。
その子どもはティファの前で立ち止まると、「いい匂いがする……」とじっと見上げてきた。
瞳が……、これまた一瞬だが透き通った空色に見えたがティファが瞬きする間に平凡な黒い瞳になった。
「お腹空いてるの?」
子どもはコクンとうなずいた。
「ぺこぺこ」
「どこの子?」
一応聞いてみた。
この辺りの浮浪児は数人いるが、みなティファの配下のようなものだ。
毎日余り物を食べさせているから。
「ザックスのところにいる」
「え〜〜!!!??」
まさか、まさかあのザックスの隠し子???
動転したティファの胸は大きく上下した。
でも、よく見るとちっとも似てない。
「ザックスの親戚?」
子どもはふるふる首を振った。
「拾ってもらった」
へ〜、あいつが!
かなり付けは溜まってるがそれは別として、ちょっとザックスを見直した。
「焼き鳥の残りならあるけど食べる?」
「食べる!鳥好き!」
ティファは子どもの手をひいて、すでに閉めてある定食屋の扉をからりと開けた。
店内には昼の定食の残り香が濃く漂っている。
甘辛い醤油の匂いた、焼き鳥の焦げた匂い、出汁の匂い。
「うわぁ〜……、美味しそうな匂い」
子どもは鼻をくんくん言わせると目を細めた。ティファの胸は再度きゅんと締め付けられた。
「待っててね」
洗い清めた店内の隅っこのテーブルに座らせると残り物の天ぷらやちょっと焦げた焼き鳥の残りを山盛りにし、丼メシに添えた。


◆拍手レス
>pixivからいらした方
わ〜!このような辺境に足を運んでいただき、感謝です!
こちらは寂れ切っている古いサイトですが、結構最新のことなども書いてますので、よろしくどうぞ!
コメントありがとうございます!

拍手をたくさんありがとうございます!

cyunkiti拝

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