05/31の日記

16:23
なんか続いてる
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ちゃ〜らちゃんちゃんちゃらららら〜♪
城内にある広場に近衛武士らがずらりと勢ぞろいすると、天守閣のあたりから甲高い金管楽器の音が響きだした。
神羅城は巨大な城で、外堀と内堀の間にはアンジール達上級近衛武士の居住地が、跳ね橋を渡った内堀の中には広々とした練兵場を兼ねた広場がある。

若殿であるルーファウスは天守閣すぐ下の広々とした百畳敷きの部屋に居住してるくせに、朝のお勤め開始時間には必ず広場で白馬に乗って屈強な武士たちすべてから万歳とおはようの挨拶を受けることを習慣としている。

これに遅刻すると、ルーファウス側近の大家老ツォンから厳しいチェックを受ける。
「ザ〜ックス!今朝も遅刻、原点1!」
すでに派手な音楽が流れだしており、アンジールはじめ城の重鎮たちは整列している。
自分とほとんど同じ時間に土俵から引きあげたはずなのに、なぜかアンジールはきちんと身繕いして最前列からしかめっ面でザックスを見ている。やがて堀にかかる跳ね橋に続く正門から堂々と白馬に乗ったルーファウスが登場した。
(一度裏門から出てわざわざ馬に乗ってぐるっと回って登城するって……)
ザックスからしたら無駄なことこの上ない。
白馬の後ろからは巨大で真っ黒な犬がガルガル言いながら数頭付き従っている。
後ろで首輪につないだ鎖を握っているのは赤毛のレノだ。
真っ黒な上下の羽織袴をだらしなく着こんでいる。
若殿の親衛隊の腕利きで、ザックスとは飲み友達だ。
列の一番しんがりにいるザックスにウインクしてみせた。
『ち、こ、く、だなと』
薄い唇が面白そうに動いた。
『稽古してたんだ』
ザックスは小声で返事をすると、赤毛は肩をすくめて行ってしまった。

「ルーファウスさま入城〜!」
ちゃ〜ちゃらららら!と音楽がひときわ高まった。
真っ白な馬にまたがって、白に金糸の入った羽織袴をびしっと着込んだルーファウスが入城した。
ルーファウスのすぐ後ろに付き従っている家老のツォンが「総員万歳!」と号令をかけると、ざっと音を立てて最前列から波のように「万歳、万歳!ルーファウスさま万歳!」と野太い声の合唱が響く。
ルーファウスは満足そうに辺りを見回すと、一人うなずき開け放った巨大な扉の奥に消える。
(マジくだらねえ……)
ルーファウスが城内に消えてから、三々五々自分の仕事に付くため潮が引くように静かになりつつある広場で、ザックスものろのろ剣を担いで持ち場の外堀脇の詰め所に向かった。
「よう、相変わらずしけた顔してるな、と」
後ろから声がかかった。
親衛隊のレノだ。
「俺がシケテようがイケテようがお前にゃ関係ねえ」
だいたいレノと関わるとろくなことがない。
さっさと詰め所に行かないと、これまたうるさい同僚のカンセルに叱られる。
振り切って門に向かうと、後ろからレノが追いかけてきた。
「おいおい、待てって。面白い話聞かせてやるぞ、と」
「なんだよ」
レノが追い付いて後ろから肩を組んできた。
耳元に口を近づけてくるので、赤い鬱陶しい髪が頬につく。
「なんでもこの鎮守の稲荷神の結界が一部破れたらしいぞ、と」
「いなり?」
ひひひ、とレノが耳障りな笑い声を立てた。
「耳に息かけんな!気持ちわりい」
「奉ってあるあるお狐さまが一体行方不明だそうだ。お前んち近いだろう?何か変わったことなかったかな、と」
ーーーお狐さま……。
もしや、もしや。
ザックスが立ち止まったので、レノの体が背中にぶつかった。
「だからなんなんだよ!」
「一番ちっさいお狐様がいないと、でかいご本尊の天狐様が暴れるって昔ばなし知ってるかな、と」
そういえば。
小さい頃聞いたことがある。
荒ぶる天狐様が人間界でいなくなった小さいお狐さまを探し回って大災害が起こったとか。

+++++++++++++++++++;
クラウドはふさふさの金色のしっぽが似合いますよねww

あちこちぼちぼち書いてます。
某所で連載してる「その男屈強にして……」も続き書いてます。

pixivの方でお読みの方もいらっしゃると思いますが、もう少しで続きupしますね!

◆拍手レス
>20日の方
わ〜!久しぶりにショタクラ書いてます!
お狐界のアイドルクラウドくん、人間界でも大人気で美味しいものもらってます(*^-^*)

拍手ありがとうございます!
いよいよ孤島と化してきました。
いらしてくださる方に感謝です!

cyun拝

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