06/24の日記

18:04
調子にのって
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「今は神無月だから、天狐さまは月末までは出かけてるっつう話だ。天狐さまが留守のうちに子狐探してお社に奉って姉狐さま呼ぶ儀式しないといけないんだ」
「姉狐?」
「ああ、天狐さまの妹君で、子狐の姉だ。わいろ次第で天狐に黙って子狐を天界に帰してくれるという言い伝えがあるんだ」
「わいろかよ……」
「いんじゃね?わいろが効くだけ」
姉狐さまの欲しがるわいろって何だろう?と口を開きかけたザックスに、「お〜い、巡回行くぞ!」と小隊長から声がかかったので、そのままその話は立ち消えになった。



レノはあちこち嗅ぎまわっては噂を聞きだしたり、素知らぬ振りするヤツにはカマかけたりして情報を集めている。
ルーファウス若君直属のタークスは、ともかくまずは大量に情報を集めるのを仕事としている。
その有象無象の情報の中からきらんと光る砂金のような大事なものをどう見つけるかが腕の見せ所だ。
どうせたいした情報を持ってないだろうと思ったザックスに話を振ってみたが、なんとなく「臭い」という感触を覚えた。
だいたいザックスは単細胞だ。
嘘のつけない性格で、ふとした折りに顔に出る。
さっきお狐さまの話をしたときの反応は怪しかった。
(あいつ、ぜってえ何か知ってる……)
ザックスがしょっちゅう飲みにいってる「七天屋」周辺から長屋に帰る道すがらに例のお稲荷さんの入口がある。
天狐さまと姉狐さま子狐さま三体を奉った『神羅稲荷大明神』の入口にあたる大鳥居は飲み屋横丁から歩いて5分くらいだ。

(もしかしてアイツ、鳥居あたりで何か見かけたのかも)
噂では子狐は目の覚めるような青い瞳と美しい白金の髪をしているということだ。
ちょっと見たくらいで忘れるような見かけではないとのこと。
(見た可能性あるな)
もしそうならなんで隠してるんだろう?
ま、まずは上司のツォンさんに報告しておこう。
子狐捜索のとっかかりができたので、今日の仕事は終わりの気分でレノはぶらぶら城内に戻った。


ザックスもまた迷っていた。
カンセルと連れ立っての城下の巡回中、何度クラウドのことを打ち明けようと思っただろう。
「うちにさぁ〜」と言いかけては口ごもった。
大体あれは可愛いすぎる。
思い出しても思わず顔がにやけてしまうくらい可愛い。

それに、もうちょい時間を稼いでルーファウスが賞金でもかけたくらいに「見つけました!」と言ったほうが周囲からありがたがられるだろう。
それまでは手元に置いて、眺めてるのもいいかもしれない。
うまくいけばルーファウスから賞金をもらって、その上に姉狐さまとやらからも何か見返りがあるだろう。
ザックスはちょっと図々しいことを考えていた。
とはいえ本音は(手放したくねえ……)という身勝手なものだった。
「ザックスさあ、さっきから俺に何か言いたくて仕方ないだろう?」
鋭いカンセルは、巡回も終わって詰め所に戻ったころそう切り出した。
「あ?いや?まあ俺たちの給料って全然上がらねえじゃね?うちにさ〜、もっと金でもあればなって」
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気づいたら結構本気で書き出してます。
子狐クラウドのイラストで表紙書いてもらおうかなってふと思ったけど、承知してくれるかな?
折り綴じ本くらいの軽い本作りたくなった〜1
本作り好きなのに、最近イベントもないから通販しかないかな〜。

拍手たくさんありがとうございます!
おかげでやる気でちゃいました。

cyunkiti拝

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