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□下剋上宣言*
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【下剋上宣言】
最初は、ただのクラスメイトだった。
その人は、近藤さんや土方さんと知り合った時に、二人の後ろで興味なさげに俺を見ていた。
三人は仲がいいんだか悪いんだかで。
特に土方さんとあの人は何かと喧嘩して。
それでもあの人達には俺なんかが入り込めない絆があった。
別に入りたいなんて思いはこれぽっちもなかったけれど、この人達について行こうと思った。
暫くして俺たちは風紀委員になった。
殴られて。
パシりに使われて。
本気で泣きそうになった時もあったけど。
それでも好きだった。
三人の下で一緒に働くのは好きだった。
そして三人の中でも、あの人は何かと俺を弄ってきた。
パシられるのも一番多くて。
あれ、もしかして嫌われてない?俺。
とか思ったりしたけど。
ある日、
「山崎、勉強教えろィ。」
と云われてから、テスト週間には勉強を教えるのが習慣になっていた。
最初は教室で教え方が下手だと罵られながら教えて。
次は図書館でわからないと殴られながら教えて。
そしてあの人の部屋になった時にキスをした。
成り行きでも俺には自然の事のように思えたんだ。
隣に座って。
あの人のノートに書いて。
目が合って。
キスをして。
それはとても自然な流れだった。
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