Silver Soul
□甘栗小話
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甘栗小話
わざわざ寒い思いしてまで1月に散歩なんてするもんじゃねーな。
まぁ、いいじゃん?
こうして甘栗も買えた訳だし?
それ、てめーの利益にしかなってねーだろうが。
しかも俺の金だろ。
土方だって煙草買ったんだからいいじゃん。
いや、そのつもりで出たんだけど。
あー、あったけー。
知ってっか?
最近甘栗なんてなかなか食えねーよ?
大体は皮剥いた栗がパックに五、六個入ってるやつだぜ?
やっぱ天津甘栗っていえばこの赤い紙袋だよな。
皮付きのさ。
つか、それどうやって食うんだ?
何、知らねーの?
こーやって、横向に栗の皮に爪を立ててから親指と人差し指で強く押したら皮がメキョッって半分に剥けるんだぜ。
…ん、うまいわ。
へぇ、…………っチ。
ちょっとちょっと土方クン?
失敗してるけど、それ。
っ…良いんだよ、俺はこうやって地道に剥きてーんだっつの。
ちまちまちまちま見ててイライラするんだけど土方のソレ。
ほらー、渋皮取れねーだろ、指で剥いてちゃ。
うるせーな、良いんだよ、俺は渋皮付けたまま食うんだよ。
腹壊すんじゃね?
つか不味くね?
っ…次はてめーのやり方で食うから黙ってろや。
…………ぁ。
もしもーし、身ごと爪で割ってどうすんの。
力入れすぎだろ。
さっきより面倒なことなってんじゃん。
ったく、見てみ?
ほら、こうやって…めきょっとな、ちょーきれいに剥けるぜ、銀さん。
いる?
いるか!
見てろや、三度目の正直で成功させてやる。
三度目の正直で酸鼻な結果の間違いデショ。
っ…………(そろりそろり)
めきょっ☆
っ!!
見ろ、成功だろっ!
渋皮一枚付いてねぇっ。
最高の出来だろうが。
あーすごいすごい。
ほんとすごいわー。
思ってねーだろ。
イヤ、思ってるぜ?
当たり前の事に成功して喜んでる当たりすごいと思ってる。
っ…云ってろ。
……うん、味も最高だな。
きっとこの栗の中で一番旨…ってオイィィィっ!!
一個もないんだけど!?
んん?(もぐもぐ)
しょーがねーじゃん、土方おせーんだもん。
お前が一個剥く間に俺四つは食えるし?
てめっ…!
…ま、甘いもんは専門外だしな。
そんな事より、手が茶色くベタベタになっちまった。
どーすんだ、これ。
煙草出せねーんだけど。
ん?
あぁ、こんなもんこうやっときゃいぃ。
こうやっときゃって指嘗めただけだろーが。
きたねーな、洗えや。
む、きたねーだと?
ならこーしてやるよ。
かぷ。
…手を掴み指を口に含む銀時。
なっ、てめっ、周りが…!
あぁん?何?
こりっ、
ぅあっ…止め、///
…周りジロジロ。
ママ、あのおじちゃん指しゃぶってる!
見ちゃいけませんっ!(笑)
ほら、綺麗になった。
なんならそっちもやってやろうか…ぐふっ!
いい加減にしろやっ、てめぇ!///
いって…なんだよ、ちょっとふざけただけなのにさ、ちゃんと綺麗になったろーが。
きっ、れいってお前の唾液がついただろっ、
何、汚いってか?
っ…そうじゃねーが、あの…アレだろ。そういう問題じゃねーし…
あ?
外でするもんじゃねーし…。
家ならいい訳か。
ちっ、ちが、そうじゃねぇ…!
あの、アレだろ、あの〜…
いや、もう否定は無理でしょ、大人しく帰ろーぜ。フンフン♪
……。
また甘栗食おーぜ、土方くん。
…当分いらね。
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甘栗食べてて考えつきました。
土方君の失敗は私の失敗です(爆)