Silver Soul

□血液恋愛
1ページ/3ページ



今日は書類も事件もないので。

刀の手入れでも、と思っていたら。

突然やってきた銀時が勝手に俺の部屋で、隣で寝そべっている。


なんでだ。


液恋愛



「ひじかたくんの血液型はー?あ、Aね。ハイハイ。」

「…なんだ、突然?つか、おまえ何でここにいんだ。」

「A型は…っと…」

「オイ、その大福うちのだろ。茶だって玉露のいいやつじゃねぇか。不法侵入と荒らしで逮捕すんぞ。」

「…んー…」

「…あー…今日も仕事ないのか?」

「……」


無反応かよ。

話しにきたんじゃねーなら、なんだチクショー。

…調子が狂う。


「…その本なんだよ。」

「んー?……」

「……」


ペラペラと本を捲る銀時を見つめる。

こいつの手、実は俺の手よりデカいんだよな。
大福の粉にまみれた指は深爪していて痛そうだ。

大福みてーなほっぺたしやがって。
共食いかよ。

つか…答えんのんかいィィ!!!!

俺の部屋に来て、俺の隣で寝そべって、俺の会話のキャッチボールを見事見送って、何、本読みにきただけ?

そんなん俺のとこじゃなくてもいーだろが!

…なんだか、期待して損をした。


「…女性への警戒心は強くない?あー確かに、ひじかたくんそゆとこだらしねーよな。」

「…は?」


突然俺を見てニヤニヤ笑って、なんだ。

何の話だ??

浮気なんてしてねーぞ。


「後はー…女性をシビアに観察って…なんか怖!!!俺もそんな風に見られてたんだ!?」

「はっ!?」


なんだよ、一体!


「誠実で無難な女性を求める…あ、確かに。」

「ちょ、おま、何読んでんだ!」

「ぁう゛っ…」


背中を向けて寝転がっていた銀時にのしかかる。

本を覗き込むと大きく"A型の男性"。


「…血液型でわかる恋愛傾向?」

「うん、ね、重い。」

「なんで、んなもん読んでんだ。」

「面白いデショ。もっとひじかたくんの事知りたいなぁ〜ってねぇ?」


言うついでに頬にキスをされた。

悪い気はしない、うん。


「あっは、顔赤くなってるぜ、ひじかたくん。」

「!ばっか、ちげ…これは、あれ、ジンマシン。」

「…なにそれ、銀さんからちゅうされてジンマシンでんの?そんなんじゃ、SEXのときにとっくにアウトじゃねーか。俺見たことねーぞ。」


俺の下で銀時が睨みをきかせる。

顔を見つめるとにやりと笑うが歯にはあんこの皮がついている。

それでもバカなことを言うから情事の時の銀時が思い出された。


「あ、なんかエロいこと」

「うるせぇな…」


うるさい口を唇で塞ぐ。

ペラペラよく喋る舌はあんこの味がする。

マヨネーズ味にしてくれ。


「…ン……モグモグすんなよ……、なに、ひじだらくん…」

「ふ…口周りに大福の粉ついてんぞ。しかも歯にあんこの皮ついてだぜ。」


舌先を出してさっきのあんこの皮を見せてやる。

「取ってやったんだから礼でもいえ。」

「は…ひじかたの助平!」


口元をこすって赤くなる銀時も悪くない。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ