頂き物

□日常風景 ※パラレル
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『日常風景』








朝起きて目が覚める

ぼーっとする頭を抱えて
下に降りて行くと
洗面台で蛇口を捻り

冷たい水で顔を洗う



「ふぅーー」

洗い終わりすっきりした顔で
急いで朝ご飯を食べに行く








「いってきまーーす!!」


カバンを持って急いで駅へと向かう
別に急がなくても電車の時間には十分間に合うが

・・・・きっともう来ているはずだから







見えてきた駅の入り口に
1人ポツンと待っている影


その姿を確認して
うずうずしてきた


「カンクロウ〜〜〜!!!!」
「うわぁっ!!!」

気付かぬ相手の背中に思いっきり飛びついて
背広を着た背中に思いっきり頬ズリ

「てめっ!!!何してんだキバっ!!」
「え?何ってマーキング?」

赤くなった顔に
背筋がゾクゾクしたが
それを言ったらカンクロウがもっと怒るから
心の中に収めておく

・・・俺も最近成長したなぁ・・へへへっ


そんな風に考え込んでいたら

ゴッ!!!

鈍い音と共に
頭に激痛が走った

「いっったぁぁっあああ!!!」

「ふんっ・・いい加減に離さないからじゃん」

握りしめた拳をプラプラと振りながら
はっと鼻で笑う顔

「ひっでぇ〜〜いいじゃんか朝のスキンシップくらいぃ〜〜」
「バッカじゃねぇ・・・ほらっ・・行くぞっ」

ちょっと涙目になっているだろう顔で見ると
バツが悪そうに顔を反らしながら

先を歩いていたのに
立ち止まって自分を待っているカンクロウに
やっぱり優しいんだよなとか思いつつ

へへっと笑いかけて
一緒に学校へと向かった

「手つなごうぜっ!!カンクロウ」
「っ!!」


電車に乗り込みながら


ひりひりする手を押さえ
やっぱり
照れているカンクロウにうずうずした








授業中

あんまりにもつまらなくて
教科書に落書きしていたら
先生にぶっとい教本で頭をど突かれた

暇をしていたクラスメート達は
笑いながら茶化してきたが
それに相槌をうっておく


その後ふざけて先生をおちょくっているクラスメート
笑いながらそれに返している先生


いつもなら俺も混じるのだが・・・
そんな気になれずに
窓の外をチラッと覗く


丁度グラウンドが見えて
下で体育の授業なのだろう
生徒達が準備体操をしているのが分かる


「あっ・・・」


その中に
1人だけ色の違うジャージを着けて
生徒と一緒に準備体操をしているカンクロウを見つけた


「・・いいなぁー・・」

カンクロウが担当するのは体育
俺達の所はガイっつーめちゃくちゃ暑苦しい先生だから

一緒になることはまずなかった


「・・・あんなに引っ付いて・・」

一緒に体操している同級生の奴は
あれはシカマルだったはずだ・・・

組体操だから仕方ないのだろうが
一緒に手を握ったり
背中あわせになったり・・・







あっ・・・何か・・苛ついてきた・・・








ガタッ!!

「すいません先せー!!」
「おっ何だキバ珍しいなっこの問題分かったのか?」
「えー?そんなの俺が分かるわけないじゃないですかぁーー」
「・・・・そうか・・」
「ちょっとお腹の調子が悪いんで保健室いってもいいですか?」

難しい数式を書いた黒板を指しながら
笑う担任に
此方も笑って返すと

いつも元気な俺が言ったからか
少し心配そうに見てくる

「えっ!!大丈夫なのか??」
「おうっ!!ちょっとピーゴロしてるだけっすから」
「・・・ははっ・・分かった行って来い」
「はーい」

苦笑しながらも
保険委員を付き添わそうとしているのを止め
1人で授業中の教室を抜け出した





ちょっと駆け足になりながら
グラウンドに通る道を進む







「よっし・・それじゃぁ今日は長距離走の練習するじゃん・・皆グラウンドを10周する事」

「「「えぇーーーーっ!!!」」」

「別に無理にとは言ってないじゃん・・自分のペースで今日の時間が終わるまでには走り終わればいいから」

「「「はーーーい」」」

「よしっそれじゃぁ初めっ!!」


ニコニコと笑いながら
走り始めた生徒を見送るカンクロウは
抜け出している生徒が居ないかグルリと周囲を見渡す

「っ!!!」

そこで此方に手を振っているキバを見つけ
あいつは今授業中だった筈だと
慌ててキバの所へと走った







「おっお前っ・・はぁはぁ」
「おーーやっぱり体育の先生だけあってカンクロウってば足速いなぁー♪」
「そっそんな事がっ・・はぁはぁ」

息を切らせて
此方に一生懸命話そうとするカンクロウ

「ちょっとこっち来てっ!!」
「へ?っておわっ!!引っ張るなっ!!」

腕を掴んでちょっとさっきよりも早足で歩く

息が切れていたカンクロウは
ちょっとキツそうだったけど





少し我慢できそうになかったから
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