交わる物語

□闇の騎士の襲来と復活の星光
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頭が真っ白になるとはこの事だろう。



少なくとも、これで二回目だ。



一回目は、なのはが墜ちたとき。



あの時に再び心に誓った。



あの笑顔を守ろうと。



強く……強く、誓った。



自分のデバイスと魔導書を手に入れ、修行を重ねて力をつけたつもりだった。



だけど、今、目の前でなのはが刃で胸を刺されている。



刃が抜かれ、自分の胸に来る。



「あ……ああ……」



僕は震える両手でなのはを抱きしめた。



「なのはぁぁぁぁああああーーーーっ!!!」



『マ……ス、ター……』



レイジングハートの綺麗な紅玉の光りが消え去り、崩壊寸前までひびが入った。



なのはのバリアジャケットが解除され、レイジングハートはひびが入ったままで待機状態となった。



その時、空間が割れて中から、何かが現れた。



それは、漆黒の色に染まった騎士の鎧を身に纏う者だった。



その者の持つ剣の刃に、なのはの血が塗られ、染まっている。



《これで……我を邪魔する唯一の存在が消えた》



仮面でその表情が見えなかった。



《あとは……貴様の命を奪うだけだ!》



騎士は剣を振り上げて、ユーノを狙う。



その時。



「貴様アアアアアアアアアアアアッ!!!」



怒号と共に、巨大な金色の刃が振り下ろされる。



《ん?ふん……》



騎士は一瞬の速さでその場を離れた。



《邪魔が入ったか》



金色の刃を振り下ろしたのは、フェイトだった。



「なのはぁっ!!!」



フェイトはユーノに抱かれているなのはに駆け寄った。



「なのは……なのはぁ……」



フェイトは泣き崩れてなのはの頬を触った。



体を震わせ、頬から手を離した。



「ユーノ……なのはを連れてここから離れて……」



フェイトが指示をだすが、ユーノは反応しなかった。



「ユーノッ!!!」



叫んでも、ユーノは反応しなかった。



今のユーノの瞳には光と力は無く、ただその場にいるだけだった。



「ワシに任せろ。フェイト」



そこに太公望が名乗りを上げた。



「お願いします……」



太公望は一緒にユーノとなのはを別の場所に空間転移させた。



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