短編小説
□失いたくない人
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タッ、タッ、タッ……。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ………」
なのはは全力で走っていた。
娘のヴィヴィオを抱きながら。
行き先は病院。
ヴィヴィオが怪我したのか?
否。
ヴィヴィオは一つも怪我をしていない。
今日は、機動六課が解散してからの戦技教導官のなのはの久しぶりの休み。
ヴィヴィオと思いっきり遊ぶはずだった。
しかし、数分前に来た連絡によってそれが崩された。
相手は親友のフェイトだ。
その内容は。
『なのは!ユーノが…ユーノが…発掘調査で他の調査員を庇って大怪我を!!意識不明の重体で今、生死をさまよっている!早く来て!』
その連絡でなのはの時が一瞬、止まった。
すぐに我に帰ると、ヴィヴィオを連れ、ユーノの運ばれた病院に向かって走った。
ユーノくん!ユーノくん!!ユーノくん!!!
なのはは必死にユーノの名前を心の中で呼び続けた。