宇宙をかける少女 〜過去からの旅人〜
□転校生と勝手な賭?
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「行ってきまーす!」
獅子堂家から元気な声が響く。
秋葉は学園の制服を身につけ、自分の家族に挨拶をする。
「はい、行ってらっしゃい」
「がんばりなさいよ」
一人は秋葉の一番上の姉、獅子堂風音。
もう一人は秋葉の一つ下の妹、獅子堂ナミ。
「あ、そうだ。秋葉」
「なに?風音お姉ちゃん」
「もうすぐテストよね?成績が悪かったらお小遣いダウンだから」
「うげぇ!がんばります……」
風音は長女として秋葉たち妹の母親的存在なのだ。
「じゃあ、頑張ってきてね。あ、もし勉強がいやになったら先方との結婚って手もあるけど……」
つまり、政略結婚だ。
「絶対にイヤ!!」
「別にいいじゃない。秋葉は好きな男もいないんだし」
横からナミが口をつっこむ。
そして、意地悪く笑う。
「私にだって!好きな男の子ぐらい……」
その瞬間、風音とナミの眼光がキランと光る。
「へぇ〜、どんな子なの?今度お姉ちゃんに紹介して」
「どんな子って……それは……ううっ……行ってきます!!」
秋葉はだんだん恥ずかしくなり、逃げ出した。
「あ、逃げた」
「まぁ、いつか会えるでしょう。その時を楽しみにしましょう。……ナミ、今日あそこに用があるからよろしくね」
「黒い神様の所ね。わかったわ準備しておく」
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