宇宙をかける少女 〜過去からの旅人〜
□出会いと名前
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少年はこれまでの経緯を秋葉達に説明する。
「……と言うわけです」
「何か未だに信じられません……」
「過去からタイムスリップ……そんなの本の物語しか見たことがないよ」
「凄い……」
珍しくほのかの目が輝いていた。
「あなた家族も居ないなんて……ずっと一人で……」
秋葉は少し悲しい顔をした。
「大丈夫ですよ、秋葉。さすがに16になれば慣れるから」
少年の笑顔はどこか儚げなかった。
その笑顔は皆の心を貫く。
「でっ、でも!家族は居なくてもお友達は出来ますよ!」
「妹子……」
「私や秋葉お嬢様。ほのかさんにレオパルドさんはあなたのお友達ですから!」
「……ありがとう。妹子」
少年は妹子の頭を指でなでた。
「ねえ、ちょっといいかな?」
「何?秋葉」
「名前が無いのも不便だから私たちがつけていいかな?」
「え……?」
少年は唖然とする。
今までにそんな事を言われたことが無かったからだ。