桐青★島準

□本日イチゴミルク味
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珍しく早めに部活が終わったので、準太は慎吾の家に来ていた。


いわゆるお部屋デート。


見そこねてた映画のDVDを帰りにレンタルし、二人してベッドにもたれて観ていた。

慎吾がふとみると準太の口がモゴモゴと動いてる。



「準太、何食ってんだ?」

「利央から飴玉貰ったんス。疲れてる時は甘いものがいいんだとか言って。」


嬉々として準太に飴玉を手渡す利央は容易に想像できた。

飴玉で頬っぺたを膨らませたまま、準太が笑う。ほのかに甘い匂いがする。



「イチゴ味?」

「イチゴミルク味っス。」



舌先に乗っけてペロンと準太がピンク色のかたまりを出して見せる。
そしてすぐに口の中へ戻す。頬っぺたの膨らみが右へ左へと移動する。



「……美味い?」

「結構美味いです。慎吾さんも食べ……ン!」



ぐい、と引き寄せられて唇を塞がれると、直ぐに舌が入ってくる。そして口内にあった筈のピンク色のかたまりは、瞬間慎吾に掠め取られていた。



「…っ…慎吾さん!」

「…甘いな。」



ニィっと笑う慎吾の頬っぺたが丸く膨らむ。
さっきまで自分が舐めていたものだと思うと準太は気恥ずかしくて顔を赤らめた。



「準太。」

「何すか!」

「やっぱりいらない。返す。」

「はぁ?…ンぐ!」



再度唇を塞がれて、滑り込んでくる慎吾の舌。
そしてピンク色の甘い甘いかたまり。



「ん…ふ………ン…」


慎吾と準太の舌の間で転がされて、少しずつ小さくなって、やがてピンク色のかたまりは溶けて無くなった。
残ったのは、イチゴミルクの甘さと……。


キスの、余韻。



「…甘かったな。」

「慎吾さんてば…もぅ…。」



鼻先が触れる程近い距離で慎吾が囁く。
準太の顔は耳まで真っ赤。



「準太ぁ…続き、してもいいか?」

「……ダメだって言ったら、やめてくれるんスか?」

「…やめない。」

「………帰り、DVD貸して下さいね。」



ゆっくりと床に押し倒されて、三度唇が重なった。

微かに残っていた甘さは、二人の間でじんわりと広がって。

いつしか消えてなくなった。










おまけ☆


「準さん!これ新発売なんすよ!チョコバナナ味!分けてあげる!」

「サンキュ、利ぉ………」

「?準さんどしたの?顔赤いよ?」

「なんでもない!」


そんな二人のやり取りを見ながら慎吾はクスッと笑って言った。


「利央オレにも。」




Fin

 

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