桐青★島準

□眠れない夜の子守唄。
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…眠れない。

あれだけキツイ練習をこなして、身体は既にクタクタで。

飯食って風呂に入って、ベッドに倒れ込むように横になれば、いつも吸い込まれるように眠くなっていくのに。

今日は何だか、眠くならない。


…疲れ過ぎてんのかな。


枕元の目覚ましは12時を少し過ぎたくらいだ。


「………。」


携帯電話に手を伸ばすと、真っ暗な部屋の中でパカッと開く。

明るく光る液晶にちょっと顔をしかめて、その明るさに慣れるまで待つと、ゆっくりとボタンを押す。

メールの受信BOX。

友人や家族、野球部とフォルダ分けしてあるその1番下に作った、新しいフォルダ。


[慎吾さん]


野球部でありながら他の部員と区別したそれは紛れも無く『特別』な証。

作ってまだ日が浅いそのフォルダに受信されたメールはまだ十数通。


そのうちの一通を無造作に開く。

1番新しいそれは、今日居残りで多めに投げ込んだあと、部室で着替えている最中に受信したものだ。

内容はたった一言『準太、お疲れさん』。





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