桐青★島準
□真っ白な君を。
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「準太の髪って、綺麗だよな。」
練習終わってシャワー浴びて、部室のベンチに座り、ガシガシとタオルで髪を乾かしていた準太に声をかけたのは、同じくタオルで髪を乾かしていた慎吾。
「…そっすか?あんまり気にしたことないんすけど。」
まだ湿気の残る前髪を摘み、上目使いで眺める準太をみて、慎吾は小さく笑った。
「髪染めたこと、ある?」
「ないです。」
「だろうな。」
準太の手からタオルをとり、ふわりと準太の頭に被せ、柔らかく擦り髪を乾かしてやる。
「…っ…慎吾さん、自分でします、から…。」
「誰も見てないだろ?」
「そうですけど…。」
なんか恥ずかしいじゃないすか、そう言って頬を赤らめる準太。
触れることになかなか慣れない恋人に、手を止めることなく慎吾は続けた。
「ツヤもあるし傷んでないし。一回でも脱色したり染めたりしたらこんな髪じゃなくなんだよ。」
「そんなもんなんすか…。」
オレの髪がいい見本、そう言って慎吾が笑う。
茶色とも金色ともとれるほど明るい色をした慎吾の髪。
何度となく手を加えて、手入れはしていても所々傷んでしまっている。
「人間とおんなじだよ。」
「…え?」
「何でもない。」
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