西浦☆
□幼なじみをこえる日。A
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人気のない裏庭で、オレの震えがとまるまで、水谷は横に座ってた。
「…少しは落ち着いた?」
「ん…ゴメン水谷」
「何があったか聞いてもいい?嫌だったら話さなくていいからさー」
水谷に聞かれて、迷ったけどオレは洗いざらい話した。
田島にキスされたこと。
浜田に呼び出されて押し倒されたこと。
そんな浜田が怖かったこと。
突き飛ばして逃げてきたこと。
一部始終をきいた水谷がボソリと呟く。
「浜田の気持ちもわかんなくないけどなー…」
「…え」
「好きなコが他の奴とチューしたって聞いたら、やっぱり心中穏やかじゃないよねー」
「…??」
「…だからぁ、浜田は泉のことが好きなの!田島にヤキモチ妬いたんだよ!」
浜田が?
オレを…スキ?
「だってそんなこと一度も…」
「野球部のみんなも半分くらいは気付いてんじゃない?」
浜田の目は、恋してる目だもん!
水谷はそう言って笑った。