短編
□Black Cherry
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｢ねぇ､獄寺君は誰のもの?｣
｢…あなた…です……｣
｢当然だよね｡君は俺の右腕で､俺の恋人なんだから｡……だったらさ､雲雀さんと､別れられるよね?｣
｢……はい｡｣
“ガチャ”
｢どうしたの?こんな時間に｣
｢話が…あるんだ｣
｢何?｣
｢別れよう｣
｢え!?｣
普段は表情を全く変えないあいつが､驚愕の表情を見せている｡
｢もしかして…ばれたの?｣
｢ああ｡｣
｢………｣
しばらく沈黙が続いた｡
その沈黙を破ったのは俺だった｡
｢じゃあな｡今まで､楽しかった｣
｢!?…待って!!｣
俺は奴に腕を捕まれて､無理矢理キスされた｡
やめろ…離れられなくなる｡もっと……欲しくなる｡
｢……ッ､やめろっ!｣
｢…愛してるよ｡どうしてばれたからって､別れなきゃいけないの?｣
｢あの方が俺のボスで､俺があの方の部下だからだ｣
｢そんなの可笑しいよ!君は僕を…｣
｢愛してない｣
｢!?｣
こんな俺を､許してください｡
｢俺はお前を愛してない｡愛してるのはあの方だけだ｡…だから､愛してくれなくていい｣
嘘をついてしか生きれない､俺を…
｢そういうことだ｡…じゃあな｣
今度は､追ってこられることはなかった｡